松本若菜 / 撮影=藤本和史
松本若菜が主演を務めるドラマ「わたしの宝物」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)。本作は、夫以外の男性との子供を、夫との子と偽って産んで育てる「托卵(たくらん)」を題材に、大切な宝物を守るために悪女になることを決意した1人の女性とその夫、そして彼女が愛した彼、3人のもつれあう感情を完全オリジナル脚本で描く、ひりつく大人の恋愛ドラマ。このたび、松本にインタビューを実施し、オファーを受けた際の感想や、撮影うらのエピソードなどを語ってもらった。
■演じきって嫌われるのならば俳優として本望
――夫以外との男性との子を夫の子と偽って産み育てる“托卵”を題材にした「わたしの宝物」で、主人公の神崎美羽を松本が演じている。
“托卵”は三竿Pがずっと温めてきた題材で、もしかしたらこれまえでの中で1番難しいかもしれないということでしたが、そのような作品の大役に松本若菜の名前を挙げてくださったことがありがたいなと感じました。
――と同時に、不倫の末に子を授かり、悪女になる決断をするという役柄に、当初はオファーを受けるか迷ったという。
人間である以上、嫌われたくないという思いもありますが、演じきって嫌われるのならば俳優として本望かなと。代表作になる作品だと感じましたし、こういう役にはもう出会えないだろうと思ったので、美羽という1人の女性として、しっかり生きようと決心しました。
■美羽を“ステレオタイプの悪女にはならず”に演じていきたい
――以前は会社員としてバリバリ働いていた美羽は、仕事を辞め家庭に入った。だが、夫の宏樹との愛は既に冷め切っており、モラハラまがいの言葉をかけられるように。そんな中、学生時代の思い人・冬月稜と偶然再会し、一夜を共にした美羽は冬月との子供を授かる。
第1話(10月17日放送)で描かれていた通り、美羽は悪女にならざるを得なかった女性です。しかし、美羽は誰かに助けてほしいなど思うことなどはなく、自分が選んだ道を進むためには、それ相当の罰を受けなければならないという覚悟を持って生きています。
ですから、ステレオタイプの悪女にはならずに、いい意味で見て下さる皆さんの想像を裏切っていけたらと思っています。
――共演している田中や深澤との現場でのエピソードを聞くと、楽しくコミュニケーションを取りながら撮影をしている様子。
撮影のうらでは思い出せないくらい、くだらない話ばかりしています(笑)。でも、田中さんは本読みの段階から完璧でした。宏樹にもバックボーンがあり、後々見返してみるとなるほど…と感じるところがあって、そこまで意識されたお芝居をしているので、見ていてすごいなと感じています。
宏樹のようなモラハラ夫は嫌ですが、常に作り笑顔をしている美羽にイラっとするかたもいると思うので、宏樹に感情移入する方もいるのではないかと思います。また、美羽が中学時代に好きだった冬月くんを演じる深澤さんは、監督から大人の色気を出してと言われて悩んでいました。「大人の色気ってどうやって出すんですか?」と(笑)。
でもそんな冗談をいいながら、すてきに冬月くんを演じているので、バラエティー番組とはまた違う魅力が見られると思います。
◆取材・文/及川静
配信: WEBザテレビジョン
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