「かきのもと」「もってのほか」といえば、どんな食材?色、香り、シャキシャキ食感が特徴の食用花をご紹介

「かきのもと」「もってのほか」といえば、どんな食材?色、香り、シャキシャキ食感が特徴の食用花をご紹介

みなさんは、「かきのもと」「もってのほか」「おもいのほか」などという名で呼ばれている秋の味覚をご存じでしょうか?
筆者の地元である新潟では、それらをおひたしにしたりポン酢をかけて食べるのが一般的。

今回は、管理栄養士のゆかりさんが、料理に華をそえるだけではないそれらの食材について詳しくご紹介します。
食材の特徴やいろいろな食べ方について触れているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「かきのもと」「もってのほか」とは?

菊という花について、観賞用のイメージがある人も多いのでは?

じつは、新潟や山形、青森では食用の菊の栽培がさかんで、とくに秋になると食卓にはよく登場する食材でもあるのです。

観賞用と食用では品種が異なっており、「延命楽」「安房宮」「十五夜」などといった苦味が少ないものが食用として多く栽培されています。

また、「食用小菊」という品種は愛知県でさかんに栽培されており、刺身の添え物として小さく黄色い花が昔から使われています。これは料理に彩りを添えるだけでなく、はなびらを醤油に散らして一緒に香りや食感を楽しむといった食べ方ができるのだとか。

また、それ以外の食用の菊の品種については、サッと酢水で湯がいておひたしや酢の物にしたり、汁物に加えることもでき、ゆでずに衣をからめて天ぷらで楽しむといった方法もあるんですよ。

栄養価については、ビタミンEがとくに豊富に含まれており、葉酸や食物繊維の補給源としても役に立ちます。

新潟出身の筆者は、「かきのもと」という呼び名で親しんでおり、湯がいてポン酢を少しかけていつも食べていますよ。小学生の娘にとっては、マヨネーズをかけるとよりおいしいとのこと。

菊のほんのりとした香りが感じられるだけでなく、やわらかいながらもシャキッとした食感もあるので、料理のアクセントとして生かすのも◎
最初は一品としてよりも、サラダやカルパッチョなどに散らすなど、少量から試すのもおすすめですよ。

ゆでるときは必ず酢水で!

そんな食用菊ですが、ゆでるときには必ず酢水を使うことをおすすめします。

理由は、仕上がりの色がまったく別物だからです。

がくをつまみながら花びらを引き抜いて外し、酢を加えずに湯だけでゆでたものと、酢を加えたものを比べてみると……

酢を加えたものは、買ったときと遜色ない鮮やかな発色ですが、酢を加えないと傷んでしまったような茶色っぽい仕上がりに。

菊1袋(筆者が購入したものは、100gくらい)に対し、ひたるほどのお湯を沸かして大さじ1杯ほどの酢を加えるだけで色止め効果あり!食感を生かすのであれば、ゆで時間は30秒くらいに留めておくと◎

見た目もおいしさの一部だと思うので、ぜひ鮮やかな色を生かして料理に取り入れてみてくださいね。

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