朝食でよく食べるという人も多い食パン。一般的に四角い形で販売されていますが、北海道と兵庫県ではこの四角い食パンのことを「角食(かくしょく)」と呼ぶそう。
他の地域ではあまり伝わらない言葉なので、初めて聞くという人も多いかもしれませんね。なぜそのような呼び方になったのか、詳しく見ていきましょう。
パン業界では共通語の「角食(かくしょく)」「山食(やましょく)」
実際に北海道札幌市には「角食専門店」があり、兵庫県神戸市にも「角食」と表記された商品を取り扱う店があります。「角食」という言葉は、実はパン業界の専門用語。北海道や兵庫県の認識と同じく、四角い食パンのことを「角食」と呼び、パン屋などで働いている人には普通に通じる言葉なのです。
一方で、上部が半円になっている食パンのことを、パン業界では「山食」と呼んでいます。イギリスパンとも呼ばれ、パン屋さんなどで本格的な食パンとしてよく目にする形。北海道でも「角食」「山食」はしっかり別物として使い分けて呼ばれているようです。
ちなみに、「角食」はふた付きのパン型で焼きあげるので四角い形をしています。ふたをしていることで水分が蒸発しにくいため、しっとり・もっちり食感に。「山食」はパンを焼き上げる時にふたをしないで焼くため、上の部分が膨らんで山のような形になります。ふんわりとしていて、トーストするとさっくりとした食感になるのが特徴。
北海道と兵庫県という離れた地域で、なぜこのような呼び方が広まったのか、理由は定かではありません。北海道は小麦の生産量が多く、兵庫県神戸市はパンの消費額が全国1位という、どちらもパンのゆかりの地であることが関係しているのかもしれません。
どんな型を使うかで異なった呼び方になる食パン。みなさんは、しっとりもっちりの「角食」とふんわり食感の「山食」では、どちらがお好みでしょうか。気になった人は、それぞれの特徴の違いを味わってみてくださいね。
■執筆/マツヤマ剛
ありとあらゆる面白情報を収集する雑食ライター。営業職で「トークのタネ」として雑学を集めていたことをきっかけにトリビアに目覚め、一念発起して編集プロダクションに転職。その後独立し、今に至る。特に、生活に関連するような知識には目がなく、日々情報収集に励んでいる。
編集/サンキュ!編集部
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