同居年数からみる離婚率
厚生労働省の人口動態統計では「同居年数別」の離婚件数も発表されています。
同居年数を「5年刻み」で区切り、それぞれの離婚件数を明らかにしているデータです。
これによると、離婚件数がもっとも多かったのは「同居年数5年未満」で58839件、全体に対する割合にすると30.44%となります。
次に多いのが「同居年数20年以上」で38930件、割合にすると20.17%程度です。
昭和60年以来の傾向をみると「同居年数5年未満」の夫婦は一定して離婚件数が多い傾向がみてとれます。
一方で「同居年数20年以上」の熟年離婚件数は昭和60年ころにはわずか12.26%程度だったものが平成17年頃に増加し(15.42%)、以後も減少せず現在は20%を超えています。
全体の離婚件数が減っても同居年数20年以上の夫婦の離婚件数は「高止まり」したままといえるでしょう。
日本では「同居年数20年以上の熟年離婚」の割合が増加している顕著な傾向がみられます。
離婚率が高い都道府県は?
人口動態統計では「都道府県別の離婚件数」も明らかにされています。
令和2年については都道府県別のデータはありませんが、令和元年(2019年)に発表されたものがあるのでみてみましょう。
離婚件数の多い都道府県
離婚件数の多い都道府県のトップ5は以下の通りです。
1位 東京都 22707件
2位 大阪府 16282件
3位 神奈川県 14890件
4位 愛知県 12342件
5位 埼玉県 12067件
他に「千葉県」でも1万件を超えており、北海道や福岡でも9000件以上となっています。
人口が多い都市部で離婚件数が多くなっており、ある意味当然の結果といえるでしょう。
離婚率の高い都道府県
人口に対する「離婚率」が高い都道府県はどこなのでしょうか?
トップ5をご紹介します。
なお「離婚率」とは人口1000人あたりの離婚人数をあらわすものとします。
1位 沖縄県 1.82
2位 宮崎県 1.73
3位 島根県 1.68
4位 長崎県 1.66
5位 佐賀県 1.64
6位は鹿児島県、鳥取県の1.63で同率でした。
他に離婚率の高かった県としては香川県の1.59、山口県の1.56、長野県の1.57、福井県の1.56、富山県・大分県の1.53などがあげられます。
これらのデータをみると「地方の離婚率が高い傾向」が読み取れます。
離婚件数のもっとも多かった東京都の離婚率は「1.15」と全国でもっとも低く、他に離婚率の高かった神奈川県は1.28、大阪府でも1.31などとなっており、決して高くはありません。
日本では「地方部の離婚率が高い傾向」があるといえるでしょう。