感電の前兆や初期症状について
労働現場では、いつもより疲れている、いつもと何か違う、といった違和感が事故のサインかもしれません。
落雷に関しては、空が暗くなってきた、雷注意報が発表されたなど、変化や情報をキャッチするのが大切です。
とはいえ多くの感電事故は突然発生します。火花や大きな音、乳幼児なら泣き声で気付くこともあるでしょう。感電直後の症状と受診先について説明します。
感電直後の症状
人体に一定以上の電流が流れると、電流の入口・出口となった部分の皮膚に電流斑と呼ばれるただれや黒焦げができます。
意識障害や手足の麻痺が起きることもあります。
電流が心臓を通ると心室細動や心停止を起こすかもしれません。
高圧や大電流では全身に熱傷を負うこともあります。
感電の受診先
感電した人の意識がない場合は、すみやかに救急車を呼んでください。
意識がはっきりしている場合も、体内での影響は見た目ではわかりません。
時間が経ってから重い症状が出現する可能性があるため、早めに救急外来を受診しましょう。
傷が小さいケースでも、見た目より深くまでダメージが及んでいる場合があります。感電の傷は形成外科や皮膚科で経過を見てもらいましょう。
感電の検査・診断
通電した部位を推定するには、感電時の状況を聞き取り、体表面の観察を行います。
電流が出入りした部分の皮膚には電流斑という損傷ができます。
落雷事故では電紋といって、電流の流れた方向に沿ってシダの葉状の軽い熱傷が生じることもあります。
これらをもとに、通電した部位を推定します。
ほかに血液検査、尿検査、画像検査、心電図検査などを必要に応じて行います。
血液検査・尿検査
血液検査と尿検査では、体内の損傷の程度を推定可能です。
腎機能の変化や感染の有無なども、必要に応じて血液検査で確認します。
画像検査
体内の損傷の様子を調べるため、必要に応じてレントゲンやCTなどの画像検査を行います。
特に高電圧による事故では、高所からの墜落や筋肉の痙縮などが原因で、電撃傷以外の傷を負っているケースも少なくありません。
心電図検査
電流の影響で不整脈が起きる場合があるため、心電図で心臓の状況を確認します。
遅れて不整脈が起きる場合に備えて、受傷後しばらくは継続して心電図を取るかもしれません。
配信: Medical DOC