●黒岩町長「金額の多寡は問題でない」
控訴審で新井氏は、告発本の発行によって黒岩町長の社会的評価を低下させた責任の大半は、反面取材や裏付け取材を行わなかったライターにあるなどと主張。
これに対して、東京高裁の水野裁判長は判決で、告発本が出版された後に新井氏がライターに「今後拝読する旨や出版社への働きかけ等を進めてほしいほしい旨の返信をしていることが認められ、電子書籍の内容で出版することを容認していたことがうかがわれる」などと指摘。
性交渉が虚偽であることを認識しながらライターに情報提供をして告発本によってそれを広く拡散させたとして、「その責任は看過しがたい」と判断した。
黒岩町長はこの日の高裁判決に、「金額の多寡は問題ではなく、高裁も当方の主張を認めてくれたと判断しています。新井祥子氏の主張は地裁、高裁も認めなかったことになります。判決に不服はありません」と話した。
●刑事事件も進行中
一連の騒動は、民事訴訟とは別に刑事事件にも発展している。
前橋地検は新井氏を虚偽告訴と名誉毀損の罪で、ライターを名誉毀損罪で起訴しており、ライターに対しては前橋地裁が2024年1月に懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。新井氏への判決はまだ出ていないとみられる。
配信: 弁護士ドットコム