●文春側が応じなければ訴訟は続いていた
ちなみに、もし文春側が「訴えの取下げ」に応じなかった場合、そのまま訴訟が続いていました。そして、もしも松本さん側が立証に失敗すれば、原告(松本さん)の敗訴で終わることになります。
松本さん側は、訴えを取り下げている以上、今回の件を早期に解決できるような有効な立証手段がなかったのかもしれません。
一方、文春側が訴えの取下げに同意した理由は、相手が取り下げようとしているのに、あえて訴訟を続ける意味はない、ということでしょう。
取下げに同意せずに判決をもらったほうが良いケースもあるでしょうが、今回のケースでは、訴えが取り下げられれば、文春側としては松本さんから何も言われていない状態になるだけです。
しかも、松本さんが、心を傷められた方々に「謝罪」を表明したことからも、今回の件が蒸し返される可能性も少ないでしょう。わざわざ文春が被告側として訴訟を続けて原告敗訴の判決を得る必要はないということだと思います。
配信: 弁護士ドットコム