子どもが英語に興味を持つには、親子で一緒に楽しむことが大切。日々忙しい中で、どう実践すればいいのでしょうか。『モンテッソーリ式 英語が好きな子の育て方』(日本実業出版社)の著者で「輝きベビーアカデミー」代表理事の伊藤美佳さんと娘・聖夏さんに、子どもが英語を好きになるためにおうちでできることをうかがうインタビュー第2回。
共働き家庭のおうち英語は「ルーティン」として入れ込んで
――共働きで忙しい中でも、おうち英語を取り入れるコツや方法はありますか。
伊藤美佳先生(以下、伊藤) 忙しくて英語も得意でないお母さん・お父さんでも大丈夫。最初は英語の歌を流すだけでいいんです。お料理しながらでも、お着替えをしながらでも。この時間は英語の曲を聴く時間と決めて、子どもが楽しそうだったら一緒に歌ってみてください。そうやってかけ流した中から反応する曲を探していただいて、子どもと一緒に英語を覚える、という形がいいかと思います。
ひとつでも歌を覚えたら、着替えるときやお風呂に入るときに一緒に歌ってください。CDつきの絵本も書籍の中でたくさん紹介していますので、それから始めるのもおすすめです。
――絵本はどのように取り入れたらいいでしょうか。
伊藤 毎日の読み聞かせの中に1冊、英語の本を入れるといいですね。英語の手遊びも同じように、ひとつずつでいいので、一緒に自分が覚えて言えるようになる、といったところから始めていけばいいかと。
娘・聖夏さん(以下、聖夏) 毎日のルーティンの中に入れることがおすすめです。例えばおむつを換えるときとか、もっと大きい子の場合は寝る前のルーティンとか。そこに1冊英語の絵本を入れたり、手遊び歌を1曲入れたりして、英語に触れることもルーティンにする、というのが忙しいお母さん・お父さんには一番いいと思います。
伊藤 どのお子さんでもおすすめできるのが、やはり寝る前のルーティンですね。その中でこの本を絶対に読むとか、お気に入りの本を読むなど決めていただいて。着替えをしながら歌うのもおすすめです。お子さんが「ちょっとつまらないな」と思うような支度の時間にやると、結構楽しんでくれると思います。
聖夏 おもちゃのお片付けの歌もいいですね。お片付けの歌を英語で歌うとか。
――少し意識すれば、忙しくてもできることはたくさんあるのですね。
「Hello」だけでも十分! 外でも生の英語に触れる機会を
伊藤 おうちで英語に触れることも大事ですが、それだけで終わらずに、実際に人と会話する、世界の人と会話ができる場に連れて行けたらいいですね。国際交流関係でもいいし、それ以外のイベントでも。簡単な挨拶や自分の名前を言うといった、最初のコミュニケーションで使うフレーズだけ、おうちで練習して覚えておいて。そうやっていろんな国の人と触れられる場に行くと、すごく刺激を受けて会話をしたくなります。
日頃からおうちで英語のやりとりをしていると、実際に外国の人と話すときに「知ってる!」というのが自信になるので。そこから積極的に学ぼうとしたり、話そうとしたりするようになると思います。身近に外国の方もいるようになってきているから、電車に乗り合わせたときや街ですれ違うときもチャンスです。できればこちらから話しかけてみるといいかもしれませんね。
聖夏 お母さんやお父さんのタイプによっては、こちらから話しかけるのはハードルが高いかもしれませんね。でもあちらから子どもに声をかけてくれるときってあるじゃないですか。そういうときに、チャンスと思って、会話ができるといいかと。最初は「Hello」だけでいいんです。
伊藤 英語が話せない人にとっては、それがきっかけでベラベラってしゃべられるとびっくりしちゃうと思うんですけど。それでもニコニコしていればいいんです。親が積極的に関わろうと思えば、意識が全然ちがってくると思うので。そうやってコミュニケーションをとっていること自体が、親も英語に触れている、ということです。親も一緒に学んでいくつもりで、どんどん英語を使っていったらいいのではないでしょうか。
配信: マイナビ子育て