普段何気なく使っているスマホ通話。もちろん、みなさん違和感なく通話を楽しんでいると思います。
実はスマホの通話で聞こえるのは、本人の声そのままではありません。本人の声にそっくりな「合成音声」なのです。スマホ通話の知られざる仕組みについて、詳しく見ていきましょう。
スマホの通話で聞こえる声の正体とは?
昔はどの家庭にもあった固定電話は、声の「波形」が相手に届く仕組み。原理としては糸電話と同じようなもので、本人の声がそのまま再生されていました。
一方でスマホで声をそのまま再生すると、データ容量が大きくなりすぎて通信回線に負荷がかかってしまうため、固定電話とはまったく違う仕組みで声が届けられています。
データ容量を小さくするために、無線通信のスマホの通話では「ハイブリッド符号化方式」という通信方式を採用。この技術により、問題だったデータ容量は16分の1程度にまで軽減され、効率的な通話が可能になっています。通話時に相手の声を受け取ると、「固定コードブック」と呼ばれる音のパターン集から声に似た音を選定。合成音声を作り、相手に届けています。
スマホで通話をしていると相手の声がそのまま届いているように感じますが、実際には相手の声そのものではなく、相手の声に似た合成音声なのです。「合成音声」といっても、音の組み合わせは43億通りもあるため、「実際とは声が違う」と感じることはほとんどありません。精密な技術のおかげで、スマホでの通話を自然に楽しめているのです。
スマホ通話で聞こえる声が本人のものではないことは、多くの人にとって驚きの事実でしょう。どのような仕組みでスマホ通話ができているのかを知ることで、普段の会話が少し特別に感じられるかもしれませんね。
■執筆/マツヤマ剛
ありとあらゆる面白情報を収集する雑食ライター。営業職で「トークのタネ」として雑学を集めていたことをきっかけにトリビアに目覚め、一念発起して編集プロダクションに転職。その後独立し、今に至る。特に、生活に関連するような知識には目がなく、日々情報収集に励んでいる。
編集/サンキュ!編集部
配信: サンキュ!
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