真面目で消極的な性格が壁となる
語学や学習面の課題が少ないことは、ねこ田さんのお子さんがまだ5歳と9歳という年齢であることも、もしかしたら関係あるのかもしれません。とはいえ、壁になるのは語学ではなく”人間性みたいなもの”だと、改めて説明してくれます。
「上の子は英語力は順調に伸びてきていると感じるのですが、性格面で学校から指摘をもらったことはあります。もともと、やや内向的で消極的な面がある上の子は、日本での座学は合っているようですが、インターナショナルスクールでの自分の意見を述べる授業は苦手なようです。先生からも『もう少し授業に積極的に参加してくれないと困る』といったメールをもらいました。そこは理解した上で、家庭、学校、塾でサポートをしています。現在は劇的に性格が変わるということはないですが、慣れもあり、できることは増えています。
上の子は、日本に居たときは『みんなと違うことをしてはダメ』といった、規律をとても重んじる傾向がありました。でも、こちらに来てからは”人それぞれ違うことが当たり前”なので、『そういうのもあるんだね!面白いね!』と、いろんなことを柔軟に受け入れる場面が増えました。
例えば今は、華僑の習慣で肉類を避け、菜食を貫く時期なのですが、異文化に面白さを感じながら、子どももすんなり受け入れています。文化や宗教の違いを、なんでも柔軟に受け入れられるようになってきているので、そこは移住の良い側面だと感じています」
親子で英語学習はご法度!?
5歳になる下のお子さんは、英語学習ゼロのまま渡航したといいますが、現在はぐんぐんと語学を習得しているといいます。「ベストフレンドは居ない」とぼやいていたと言いますが、、トラブルなどはないのでしょうか。
「学校関係での問題は見受けられません。ただ移住当初、家庭内での英語学習を私が見ようとしたら大揉めしまして……。最初は私が喋れるからと気軽に考えていたのですが、親子だから衝突が激しくて、喧嘩が頻発するようになりました。
今は外部の講師に頼んでいますが、親子で教えあうのは、こんなに難しく寛容になれないものなのかと学びました。子ども側も母親が教えるとなると、甘えや衝突する気持ちが芽生えてしまうんでしょうね。学習を外注することは思わぬ出費ですが、仕方ないと思って受け入れています」
教育移住のイメージは、華やかで子どもの可能性を広げる情報が言われますが、実際はそういう側面もありつつも、一切トラブルや問題がないということはないようです。
とはいえ、それは日本にいても同じ。こうした問題を乗り越えながら、子どもも親も強くなっていくのかもしれません。
【ねこ田】
2023年末よりマレーシアはペナン島に教育移住中。9歳5歳の子どもたちは現在現地のインターナショナルスクールに通っています。教育移住のあれこれをInstagram(@necolife_penang)にて配信中。
<取材・文/おおしまりえ>
【おおしまりえ】
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:@utena0518
配信: 女子SPA!
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