英語が得意な親が、子どもに英語を教えるときに陥りがちな罠。子どもが英語嫌いになったときの挽回方法とは?

英語が得意な親が、子どもに英語を教えるときに陥りがちな罠。子どもが英語嫌いになったときの挽回方法とは?

英語を学んでほしくても子どもが興味を持たなかったり、嫌になってしまったりすることも。そのとき、親にできることは?『モンテッソーリ式 英語が好きな子の育て方』(日本実業出版社)の著者で「輝きベビーアカデミー」代表理事の伊藤美佳さんと娘・聖夏さんに、子どもが英語を好きになるためにおうちでできることを聞くインタビュー最終回。

親が英語が得意でも「無理やり英語で会話」は控えて

――英語に自信があるママ・パパが気をつけたいことはありますか?

伊藤美佳先生(以下、伊藤) 英語をしゃべれるお母さんやお父さんの場合、無理に英会話というか、会話を全部英語にしようとすることがあります。すると、お子さんがすごく嫌がる時期が出てくることがあるんですね。お子さんが「日本語で話して」と言ってくる時期が。

そういうときは、ゆるめること。全部を英語にするのはやめて、毎日のこのルーティンのところだけは英語にする。絵本だけは英語とか、お風呂のときは英語だけ使うとか、シチュエーションによって英語を使う場面をわけていくんです。すると、お子さんはこのときはもう英語だけなんだ、と理解してくれるのでスムーズに英語を続けられるでしょう。

――使う場面を絞ったほうがいいのですね。

娘・聖夏さん(以下、聖夏) 絵本や歌などはその限りではないと思いますが、やはり会話になると、日本語でちゃんと理解しあいたい、と思うこともありますよね。親御さんが英語でどんどんたたみかけてしまう場合は、お子さんの希望に沿ってあげることも必要です。

頭の中で言語の整理がつかないときに、「今は英語でしゃべるのはやめて」と言う子がいることは私も実感しています。思考を整理する時期にくるとそうなるお子さんは多いと思います。そこで「英語嫌いになっちゃった」と思わなくても大丈夫です。「今はそういう時期ね。わかった。」と受け止めて、ゆるめてあげる。時間が経てば、また興味を持つときがくると思うので。英語を嫌がる時期がくるかもしれない、ということだけ念頭に置いていただければ。

伊藤 あとは、完璧を求めないことです。ここまでやらせたいという希望が強いと、子どもが拒否反応を示してしまうので。基本は親子で一緒に楽しむこと。それを忘れないといいのかな、と。

子どもが英語に興味を持たないときは、まず好きなことを楽しんで

――子ども自身がなかなか英語に興味を持たないときは、どうすればいいでしょうか?

伊藤 お子さんにとって興味があるものを、ぜひ探してみてください。例えば車が好きな子だったら、英語の車の歌を歌うだけでもいいんです。

聖夏 車の英語の名前を教えてみるのもいいですね。

――日本語でまず「消防車」「救急車」などと覚えてから、英語を伝える形でしょうか。

伊藤 カードなどに日本語と英語を併記してしまってOKです。一緒に書いてあると、すぐ覚えてしまうので。私が代表・教育担当を務める輝きベビー保育園では、園児の名前を英語・漢字と並べて表記していますよ。

――一緒に覚えてくれたら一石二鳥ですね。

伊藤 今興味・関心があるものってすごく吸収しやすいんですね。お子さんが今何にはまっているのか見極めて、それに英語をひもづけることが一番のポイントです。もし好きなアニメがあったら、その英語版のDVDを見るのもいいし。そうやって、興味があるものにちなんだ教材をそろえるのがいいと思います。

聖夏 楽しむことが一番なので、Simon says(下記図参照)のような英語を使うゲームもおすすめです。ゲームが楽しい、それがたまたま英語だった、という感じで。お子さんが興味を持つために、どれならはまるんだろう、というものを探してみてください。

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