Ukiyo-e、(浮世絵)という単語は多くのフランス人が耳にしたことがあります。
中でもHokusaiの名前と富士山の版画は大変有名で、2014年にパリのグラン・パレで開催されたHokusai 展の際は広い道路が連日長蛇の列で埋まりました。
そんなUkiyo-e のコレクション展が2024年の秋にフランスの東部の街、ベルフォール(Belfort)で開催されました。
中心街にある美術館で、規模は小さいですがその分一点一点ゆっくりと鑑賞することができました。
中には漫画やイラストの文字部分がフランス語で印刷されている作品もあり、来訪者のフランス人は絵だけでなく書いてある内容も楽しめるのです。
そのフランス語が入った作品の1つの右上を見るとパリの印刷屋兼出版者の名前が。
パリのアルベール・カンタンという人物が1891年に製作したものです。
このような出版物があることからも、当時のフランス人の浮世絵への興味の高さが伺えます。
さて今回展示されている浮世絵作品は、パリ在住だった彫刻家、カミーユ・ルフェーヴルが他の美術コレクションと共にベルフォール市に寄贈したもの、と紹介しています。
なぜパリ在住だった彼が寄贈先としてベルフォールを選んだのでしょうか?
それは彼の妻が1870年から71年、普仏戦争の際に看護婦としてボランティア活動をした地だったから。
約1500点の美術コレクション寄贈に繋がったルフェーヴル夫人のベルフォールでの看護活動体験は、よほど強い印象を残すものだったのでしょう。
ベルフォール市では2025年にオープン予定の現代美術館新館の大工事が進行中です。
配信: ワウネタ海外生活