「あまり知られていないのですが、本は床に置くとすぐ繁殖するから気をつけた方がいい」
2024年11月11日、X上に投稿されたそんなつぶやきが、話題となっている。
本が繁殖って、いったいどういうこと……? こういうことらしい。
投稿者は、海洋生物の研究を行っているXユーザー・でんか(@K_theHermit)さん。
床に、大量の本が積みあがっている。なんだか見覚えのある光景だという人も多いかもしれない。
言われて見れば記者にも、ちょっと本を床に置いておいたら、いつの間にかどんどん増えていたという経験がある。なるほど、あれは”繁殖”していたのか……。
「床でなくても危険」
でんかさんの投稿には、X上で1万5000件を超える「いいね」(12日夜時点)のほか、こんな反応が寄せられている。
「繁殖して山脈ができるのです」
「床でなくとも危険です 本は横に置いた瞬間『なかまをよぶ』を唱えます!」
「これは『金魚は水槽に合わせて大きくなる』みたいなもので、本棚のように仕切りがない床に置くと制限なく増殖するんですよね」
「あたしもこれだわ」
「我が家は手遅れです 本棚足りず、涙を飲んで定期的に手放していたのですが、馴染みの古本屋も潰れ、行き場の無い本が溢れてます」
「まったくもってそのとおりです 気を付けなくては」
「書籍の貴重なさんらんシーン」
「知らなかったので繁殖させまくってた…」
それにしても、いったいどうしてこんなにも”繁殖”してしまったのか。
Jタウンネット記者は12日、投稿者のでんかさんに話を聞いた。
話題のポストを投稿したきっかけについて、でんかさんはこう語る。
「最近、生物関連の文章を書く機会が多く、片付ける暇もなく図鑑や論文などの参考文献を机のまわりに積み上げてました。
そんな中、本を仮置きしていたカラーボックスまで壊れてしまい、本棚の前に積み重ねていました。さらに新しく買ってきた本を置こうとした時に、この生物関連の本が積み重なってる様が、まさに生き物が繁殖しているように見えたため、今回の投稿をしました」
また、海洋生物の研究をしているでんかさんならではの「似たジャンルで増えるのが有性生殖、まったく同じ本が増えるのが無性生殖、全く違うジャンルの本が増え出すのが適応放散になるのかな」といった妄想もしていたそうだ。
でんかさん宅では毎月10~20冊ほどのペースで本が”繁殖”している。
「私は本のブリーダーの中ではかなり規模が小さい方だと思います。本は絶版になったらプレミア価格になりがちなので、海洋生物関連の気になった本はなるべく購入するようにしています」(でんかさん)
ただ、手あたり次第に買ってしまっては破産してしまうため、図書館で読めるものはなるべくそちらで読むようにしているとのことだ。
でんかさんは今回、自身の投稿が話題となったことを受け、
「やっぱり世の中には同類が多く、そして上には上がいると実感しました。コメントを見ていると、本は枕元を繁殖場所にすることが多いようです。
何度か電子版を勧められましたが、KindleやDMMブックスやジャンプ+など、既にそれぞれで独自の生態系ができあがっていて収集がつかなくなってます。
また、私の繁殖した本を見て『読みたい本がたくさんある』と言ってもらえたのがなかなか嬉しかったです」
とコメント。その上で、こんな”注意喚起”もしてくれた。
「最後に、カラーボックスは本を置くのに不向きなので絶対にやめましょう。夏の湿気で崩れて『書籍流』がおこります」
本の管理って、大変なんだなあ……。
皆さんも意図せぬ「繁殖」や「書籍流」を起こしてしまわぬよう、どうか気を付けて安全な読書ライフを楽しんでほしい。
配信: Jタウンネット
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