空手大会の危険すぎる反則行為、大会主催者が釈明「子どもの救護を優先すべきだった」「後ろから蹴ったことが悪いのは確実」

空手大会の危険すぎる反則行為、大会主催者が釈明「子どもの救護を優先すべきだった」「後ろから蹴ったことが悪いのは確実」

11月3日の空手大会に出場した小学生が、試合中に後ろを向いたところで、相手選手から後頭部を蹴られるという衝撃的な動画がXに投稿されて、物議となっている。

危険だっただけでなく、前のめりに倒れてうずくまった小学生に、審判や大会関係者が誰一人として救護に駆け寄らない様子も批判されていた。

反則負けとされた相手選手の所属団体は、ケガをした選手や保護者に謝罪をしたうえで、選手に「いけ」と指示を出したとされるセコンドを無期限の謹慎にした。

大会主催団体の代表が弁護士ドットコムニュースの取材に応じて、救護を優先すべきだったと釈明した。

●「いけ」と言ったセコンドは無期限謹慎

動画が投稿されると、「あまりにひどい」という声が相次いだ。投稿者によると、蹴られた子どもは小学4年生で、現在、コルセットを首に巻いて生活しているという。

動画では、試合中に後ろを向いた小学生が、相手選手から追い打ちをかけられるようにして、後頭部をハイキックされている。

小学生は前のめりに崩れ落ちて動かず、審判団も判定について協議するばかりで、救護に駆け寄る様子がなかった。

反則負けとされた相手選手の所属団体は11月11日に声明を発表。

「弊会所属選手の試合中の反則行為により、相手選手が怪我をすることとなりました」として、蹴られた選手と保護者、所属団体に謝罪。治療費などの支払いを負担するという。

また、セコンド対応をした支部長に対して「無期限の謹慎及び対外試合への引率、セコンド活動の一切を禁止」の処分としたことも明らかにした。

動画の投稿者は、弁護士ドットコムニュースの取材に「このような前代未聞の事故が今後他の大会でも起こってほしくない」という思いから投稿したと説明していた。

●大会主催者は「蹴られた側から強く求められて救護よりジャッジを優先した」と釈明

大会主催団体の代表で、蹴った選手を判定負けにした責任者は11月12日、弁護士ドットコムニュースの取材に応じた。

代表によると、蹴った選手側は、試合が止まってないと認識し、セコンドは「いけ!」と声に出したという。

審判は、蹴られた小学生が相手とは反対を向いたので、止めようとしたが、試合自体は止めてはいなかったそうだ。

責任者は、審判にジャッジの判断を求められて、説明を受けるとともに、試合の動画を確認。その場で蹴った選手に「反則負け」の判定を出したという。

その間、うずくまって動かない小学生が一定時間、放置される状態が続いた。

「あの場では、蹴られた側から『判定は?』『公正な判定を』と求める声が大きくなっていて、審判も救護ではなくジャッジを優先してしまいました。蹴られた側にとっては『今のはないだろう』と怒るのも当たり前の状況です。大会側は本来、判定よりも、子どもに駆け寄って救護することを優先すべきでした」

結局、蹴られた小学生の家族が救急車を呼んだという。代表は「自分も審判をつとめたことがあります。今後の試合では、救護を優先することを審判団に周知しなければいけません」と再発防止に努めることを約束した。

「いけ!」と言ったセコンドが処分された事態には「試合が止まってないとしても、『いけ!』と指示して、後ろから蹴ったことが悪いのは確実です」と受け止める。

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