大腸がんを発症すると体のどこに痛みを感じる?Medical DOC監修医が大腸がんの初期症状・痛みを感じる部位・原因・検査法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
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※この記事はMedical DOCにて『「大腸がん」を発症すると体のどこに「痛み」を感じるの?初期症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
齋藤 雄佑(医師)
日本大学医学部を卒業。消化器外科を専門とし、現在は一般外科、消化管内視鏡検査、生活習慣病を中心に診療を行っている。現在は岩切病院、高砂内科・消化器科クリニックに勤務。
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。
「大腸がん」とは?
大腸がんは、結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸に発生するがんです。大腸がんは2019年の統計では、部位別のがんの罹患数が男女別ではそれぞれ2位ですが、男女を合わせると1位となる罹患率の高いがんです。大腸がんは食の欧米化とともに増加し、年齢層では40歳から増加し始めます。大腸がんとその初期症状や痛みの部位を理解して、適切な検査を受けることが重要です。
大腸がんの主な原因
日本において、大腸がん、特に結腸がんは最近の罹患数の増加が著しいため、その生活習慣の変容の影響が注目されています。ここでは大腸がんの原因として特定されているものを解説していきます。自分の症状に当てはまっていないか、確認の上、改善に取り組みましょう。
たばこ
たばこには発がん性の強いニトロソアミン類やダイオキシン類、カドミウムなどの金属、ホルムアルデヒド、PM2.5などの危険な物質が含まれます。日本人の男女を対象とした研究で喫煙者は、非喫煙者と比較して、大腸がんの発生率が1.4倍で、禁煙者でも1.3倍でした。たばこは健康面で百害あって一利なしです。禁煙するのが理想的ですが、自分で禁煙できないときは禁煙外来を受診しましょう。
過剰な飲酒
アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドは、飲酒後に顔が赤くなる、気分が悪くなる、頭痛がする、などの症状の原因になる物質です。アセトアルデヒドががんの発生にかかわると考えられます。日本人男性を対象とした研究で、アルコール摂取量が日本酒にして1日平均1合以上2合未満の人は、飲酒しない人に比べて、大腸がんの発生率が1.4倍、1日平均2合以上の人は、2.1倍であったとする研究があります。飲酒は適量にとどめましょう。適量の飲酒とは日本酒で1合、度数5%のビールで500ml、度数25%の焼酎で100ml程度です。アルコールの依存性が高いため、やめたくてもやめられない状態になりやすいです。お悩みの際はお近くの内科で相談しましょう。
肥満
日本人男性の場合、Body Mass Index(BMI)25kg/m2未満に比べて、BMI27 kg/m2以上で大腸がんのリスクが1.4倍上昇することが研究で示されています。またその数値が増えれば増えるほどリスクも上昇する傾向が出ています。肥満になると血糖を下げるインスリンが効きにくい身体になります。血糖を正常にするにはインスリンが大量に必要になり、高インスリン血症やインスリン様成長因子の分泌量の過多を招きます。この状態が大腸がんと関係している可能性が示唆されています。BMI27 kg/m2以上の肥満がある方は減量をおすすめします。
大腸ポリープ
大腸がんの多くは大腸腺腫というポリープががん化して発生します。大腸腺腫の発生の原因には前述の喫煙や飲酒、肥満や食生活などの生活習慣が関わっていると言われています。大腸がんや大腸腺腫の発生に関わる生活習慣を持っている人は注意が必要です。大腸ポリープがあると言われている人は定期的な消化器内科医の診察や大腸カメラを受けることをおすすめします。
糖尿病
約259万人を分析した研究で糖尿病がない場合と比較して、糖尿病は大腸がんのリスク増加と関連していることがわかっています。高血糖による酸化ストレスが、細胞レベルでのDNA損傷を与えることが、がん化の原因と考えられています。糖尿病の方はかかりつけで適切な治療を受けた上で、若い年齢から積極的に大腸がん検診を受けることをおすすめします。
配信: Medical DOC