レアル・ソシエダMF久保建英が古巣を相手に圧巻のパフォーマンスを披露した。11月10日、ラ・リーガ第13節ではソシエダがホームに首位バルセロナを迎え撃ち、1-0での完封勝利を達成している。
文句なしのMVPだろう。公式戦7連勝中だった格上のメガクラブを相手にソシエダは序盤からいっさいひるむことなく勇敢に立ち向かい、その先頭に立ったのが得意の右ウイングで先発した久保だった。
右サイドを駆け上がっての十八番ドリブルから、中に切れ込んでシュートを放つなど、再三にわたって決定機を演出し、バルサを翻弄。29分には、2人に囲まれながらもキレッキレのボールコントロールで敵陣ペナルティーエリアに侵入。最後のシュートはGKに阻まれたものの、随所で突出したクオリティを見せ、33分のソシエダMFシェラルド・ベッカーによる決勝点に関与せずとも、同試合のMVPに選出される異例の結果となった。
また、試合後のインタビューでも“ワールドクラスのコメント”を残したとして、ファンから賛辞が殺到している。
まず「個人的にもチームの総合的にも今季1番と言っていいほどの試合だった」と切り出した久保は、「ぼくたちは勝利に値しました。データは関係ありません。というのも、スペインリーグ最高成績(バルサ)と、ホーム最低成績(ソシエダ)のチーム同士の試合でしたから。データは時に破るためにあります。ぼくがこのクラブのユニフォームを着てプレ-した中で最高の試合の1つになったかもしれません」と豪語。
また、今季はドイツの名門バイエルン・ミュンヘンを4-1で、同国永遠の宿敵レアル・マドリードを敵地で4-0と粉砕するなど、絶好調のバルサだが、その難敵を相手に、ソシエダは枠内シュートを0本に抑えて勝利した。
その自信は久保の言葉からも漏れ伝わり、「これ以上のものを求める人は、たぶん夢を見ている。ぼくたちはできることをすべてやり、すべてがうまくいきました」と語る一方、「この勝利で勘違いするわけにはいきません」「ぼくたちはラ・レアル(ソシエダの愛称)です。目標は今日のように、常にトップチームと競い合うことですし、今後もそれができることを願っています」と今後の試合への意気込みも口にしている。
「久保にとってバルセロナは10歳でスペイン進出の夢を叶えてくれた存在であり、今回の活躍とMVP獲得には“特別な思い”があるはず。試合後にはバルサの下部組織時代の後輩でスペイン代表MFガビと会話を交わし、ガビのほうからユニフォームの交換を求められて応じているシーンも映っていました。そして、何よりも自信にあふれた“ヒーローインタビュー”には、日本のサポーターから『やることやってこれが言えるのは本当にカッコよすぎる』『日本人とは思えないほどのカリスマとスター性』『まるでベテランやレジェンドのようなコメント』などの称賛が相次いでいます」(スポーツライター)
久保のキャリアにとって大きな意味のある勝利とMVPだったと言えそうだ。
(木村慎吾)
配信: アサジョ
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