制度誕生の裏側。始まりは若手社員へのヒアリング
新たな体験に踏み出す一歩を。そっと背中を押す“親心”
編集部|「ゲスト体験サポート制度」はいつ、どのように始まったのですか?
渡邉さん|人事担当者が若い社員にヒアリングした際「お金を使う経験が少ない若者は、サービスを体験する第一歩が踏み出せない」ということが分かりました。そこで、新たな体験に対して背中を押す制度として「ゲスト体験サポート制度」が始まったのです。制度のスタートは2018年なのですが、途中コロナ禍を挟んで一旦休止。2023年より再開して現在2年目となります。
宮越さん|当ホテルは新卒で入社している社員が7割ぐらい。学生時代はホテルを利用する経験も少なかったことでしょう。この制度を使って、普段使いではない、少しハイグレードのホテルに泊まってみるとか、星付きレストランに行ってみるなどして、知識や経験を広げて欲しいという親心でもあります。
編集部|若手の育成に力を入れていらっしゃることが、福利厚生にも現れているのですね。
宮越さん|そうですね。日ごろから心がけている点です。業務内でも、若手がアイデアを出せる仕組みづくりをしています。例えば調理課が行う料理コンテストでは年齢にかかわらず、従業員がテーマに沿ってアイデアを出します。彼らが考案したメニューを従業員食堂で提供し、全従業員で試食して投票します。去年はそれで入社1年目のスタッフが考案し1位に輝いた「東京産はちみつのプリン」をはじめ2位から4位までの「3種プリン盛り合わせ」が商品化されたんですよ! 商品化の過程では現場の料理長やパティシエがブラッシュアップしていくのですが、それもまた若手の学びになるはず。若手とベテランが力を合わせてアイデアを磨き上げた結果、お客様からの評判も高いメニューができて、良い循環が生まれています。若手が主体的に参加できる環境が、ホテル全体の活力にもなると信じているので、会社全体でサポートしています。
配信: OZmall