赤ちゃんが泣くのは「しょうがない」と思うようになって、いい意味で力が抜けた
松本薫さんは、冷静になって気持ちの整理をすることにしました。
――練習ができないあせりと、どのように向き合ったのでしょうか。
松本 冷静になって「今、私の中で一番大切なのものは何?」と自問自答しました。出した答えは娘です。娘が一番大切です。
これまでの私は、常に柔道が一番でした。夫と交際を始めたときも、「私の中で常に優先するのは柔道だから! あなたは二番だからわかってね」と言っていました。
でも子どもが生まれて状況が変わったんです。これからは「子どもが優先で、プラス柔道」と考えようと決めました。
これまでのように計画を立てて、そのとおりに行動しようとする超完璧主義をやめて、練習中に娘が泣いたら「しょうがない」と思うようにしました。
それまでのアスリート人生では経験したことのない新しい世界でした。
赤ちゃんなんだから、泣いたりするのはしょうがないんです。でも「しょうがない」と思えるようになってから、いい意味で力が抜けて、子育てが楽しくなりました。
お話・写真提供/松本薫さん 取材・文/麻生珠恵、たまひよONLINE編集部
松本薫さんの体験を聞いて、「赤ちゃんを連れて練習に行っていたの?」と驚いた人もいるのではないでしょうか。
インタビュー後編では、子どもの習い事やママ友だちとの関係などについて聞きました。
松本薫さん(まつもとかおり)
PROFILE
1987年石川県金沢市生まれ。幼少期から柔道を始め、2012年ロンドンオリンピック57Kg級金メダル、2016年リオデジャネイロオリンピック57kg級銅メダルを獲得。2019年現役引退。現在は、株式会社ダシーズファクトリーでアイスクリームの製品開発・販売に携わる。
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2024年10月の情報であり、現在と異なる場合があります。
配信: たまひよONLINE