夫婦でそれぞれで貯蓄している「夫婦別貯蓄」が増加中。パートナーの貯蓄を知らなくても大丈夫なの⁉【FPに聞く】

夫婦でそれぞれで貯蓄している「夫婦別貯蓄」が増加中。パートナーの貯蓄を知らなくても大丈夫なの⁉【FPに聞く】

「マイホームや大学費用など積み立てるべきお金を試算し、“お互いが自由に使えるお金はいくらあるのか”を明確に」と、FP前田さん

「『夫婦別財布』や『夫婦で別貯蓄』の良さは、お互いが経済的自立を保ち対等な関係でいられる点です。でも

『収入も貯蓄も少ない私が、なぜか食費と子どもにかかる費用を全て負担しています。加えて、夫は自分に自由にお金を使っているなと思う(後略)』(ほのママ)

とコメントにあったように、情報が不透明だと不安や不公平感を呼び、“別財布・別貯蓄“の心地よさが損なわれていきます。

同じようなモヤモヤがある方は費目別の家計を、1ヶ月分だけでも夫婦で確認していただきたいです。その流れで、生活費を出し合う割合や、大学やマイホームなど積み立てるべきお金は?お互いが自由に使えるお金はいくらあるのか?……と、明朗会計にむけて話し合ってください」

銀行は「代理人カード」、クレジットカードは「家族カード」で集中管理がおすすめ

「次は管理の問題です。

家計管理アプリに夫婦の口座とカードを紐づけして全収支把握することも可能ですが、これは猛者(笑)。
皆さん、お忙しいと思うので若干緩めな選択肢をご紹介します。

共同名義の銀行口座の開設は難しいので、おすすめするのが『代理人カード』(口座名義人の生計同一親族が、名義人の口座から入出金や振込ができるキャッシュカード)です。さらにクレジットカードでは『家族カード』(カード名義人の生計同一親族として使えるカード)を発行し、夫婦どちらかの口座で集中管理する方法です。

『働けなくなったらどうするのか?』(とみぃ)
という心配は、この口座に緊急予備資金として生活費の半年分をいれておくと安心につながります。

ただし、この方法が有効なのは『普段使い~近い将来必要なお金』まで。定期預金や貯蓄性のある保険、投資の状況を把握しようとすると『情報公開』の機会を持つ必要があります。

おすすめはマイホームや私立の小中学校進学など大きな支出を検討するとき。『大きなお金がかかるって聞いて心配なの。お願い!』と、訴えると協力が得られやすいですよ」

前田菜穂子

みつめFP事務所代表で、1級FP技能士(国家資格)、CFP®(日本FP協会)、育勉®インストラクター、日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー(平成29年10月~令和7年9月)FPmamaFriendsおこづかい教室認定講師。猛烈に働いた13年間の会社員生活での挫折や長く続いた不妊治療経験など、人生の壁にぶつかったことをきっかけに、金融業界未経験ながら5年間猛勉強してFPの資格を取得。“今より幸せで円満な家庭づくりのお手伝い”をモットーとし、娘として、妻として、母として、そして専門家として広い視野をもち、親子や夫婦でも話題にしづらい「お金のハナシ」に向き合うきっかけを提供しています。プライベートでは一児の母。

文/和兎 尊美

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2024年5月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数341人)
※記事の内容は2024年7月の情報で、現在と異なる場合があります。

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