待てを教えるときの注意点
先述したように、待てを教えることは良い面が多いです。
しかし、教え方や使い方によっては悪い方向に働いてしまうこともあります。
ここからは、待てのメリットをうまく引き出し、愛犬と飼い主さんがより良い関係で暮らせるように〝正しい待ての教え方〟をお伝えします。
【待て】の正しい教え方
教え始めは特に!失敗しないようにリードを付けて練習する
待てを教える時、一番大事なことは失敗しないように教えてあげること。
犬のしつけは楽器を習得するときに似ています。
例えば、ピアノやヴァイオリンを教える名コーチは教える際に間違った指の使い方や姿勢を身につけさせないよう、正しい動きを教えていくように細心の注意を払うそうです。
動きを理解してから、実際に楽器を鳴らしていきます。
わんちゃんに待てを教えるときもこれと似ています。
わんちゃんは〝取った行動すべてを成功体験として覚えてしまいます〟
つまり、待てを教えているときに動いてしまうと、動くことを覚えてしまうのです。
これでは、待てがちゃんとできるまでに〝動くという教えたいこととは違う動き〟を身に着けさせてしまいます。
このようなことを防ぐためには、まずリードを付けたり、サークルの中など
わんちゃんの動きが制限されている環境で行います。
こうすることで、動きそうになっても飼い主さんが止めやすいため、失敗を防ぎながら待てを教えることが可能です。
待ての間は名前を呼んだり、褒めない
待ては体の動きを止め、気持ちを落ち着かせる為に行います。
わんちゃんは大好きな飼い主さんに、上記のような対応をされるとテンションが上がってしまいます。
そうなると待てどころではありませんから、練習が進まなくなってしまいます。
褒めたくなる気持ちは分かりますが、練習の間はぐっと我慢しましょう。
待ての〝おわり〟を一番重要だと意識する
待てを教える時、〝どう終わるか〟が一番大切なポイント!
失敗しやすいケースは、終わり方を決めていないことが多いです。
例えば【身体が止まったらおわり】といったような、人側にしかわからない判断基準ではわんちゃんに伝わりません。
わんちゃんは賢いですから、待てを終わっていいタイミングを先読みしようとします。
身体が止まってから待てを終わると教えていると…。
『待てで取り敢えず止まればいいんだよね?でも動きたいときに動いていいんだ!』と理解してしまいます。
こうなってしまうと『あれ、まだ終わりじゃないよ!』と人が想定したタイミングより早くわんちゃんが動いてしまうようになります。
待てを教える時は〝終わっていい合図〟も教えてあげましょう。
指示して、身体が止まったら心の中でゆっくり3秒数えます。
数えている間も待てをキープできていれば『よし!』と決まった言葉で終わりの合図を伝えるようにしてあげましょう。
わんちゃんにも分かる【待てをおわっていい合図】を教えても、先読みしようとすることは変わりません。
犬は言葉より、人の体の動きなどをよく見ています。
『よし!』と伝えるまでの流れが同じだと、わんちゃんは先読みし始めます。
体の動きで『よし!おわったな!?』と勘違いして動いてしまう子がいますので、体の動きで判断されていないか確認しながら進めてくださいね。
まとめ
待ては人側が犬を抑制するために必要な指示である。
そして、それは正しく行えば犬と人の関係を良好に保てるものである。
間違った使い方をしたり、教えられていないと、嚙みや催促吠えなど、犬と人の関係が崩れる可能性が高まってしまう可能性があるということをお伝えしました。
愛犬に待てを教えることは飼い主さんの自由です。
プロの立場としては是非皆さんに取り入れてほしいですが、一番良くないのは教えることそのものを迷ってしまい、一貫性に欠けてしまうことです。
どこまで愛犬にルールを求めるか、好きにさせてあげるか線引きを決められるとベストです。
配信: わんちゃんホンポ
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