死刑の是非「公的な会議体の設立を」 研究者らでつくる懇話会が報告書公表 「不毛かつ不幸な状況から脱却へ」

死刑の是非「公的な会議体の設立を」 研究者らでつくる懇話会が報告書公表 「不毛かつ不幸な状況から脱却へ」

●「このまま放置するのは許されない」

懇話会の委員はこの日、日本記者クラブで記者会見を開催。

懇話会の座長を務めた中央大学大学院教授の井田良さんは「これまでの死刑をめぐる議論は存置派と廃止派が対立して実りのある議論がなされてこなかった。懇話会では死刑に否定的な方もいる中でどこまでお互いに理解し合い、学び合えるかを試みた成果がこの報告書。非常に良い議論ができたのではないか。現状のまま放置するのは許されない」と話した。

懇話会の委員で甲南大学教授の笹倉香奈さんは、一旦死刑が確定した袴田巌さんが裁判のやり直しで無罪になったことに触れ、「今は再審法改正についてたくさんの議員が関心を持っている。死刑制度についても議論してもらう素地が今の国会にはあるのではないかと期待している」と述べた。

懇話会は今後、衆議院と参議院の両議長や政府に報告書を渡し、国レベルでの議論を後押ししたい考えだ。

報告は「日本の死刑制度について考える懇話会」のホームページで公表されている。

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