隠れ脳梗塞になりやすい人の特徴
隠れ脳梗塞は前述のように生活習慣病、特に高血圧のある方で発症しやすいことが知られています。塩分摂取量が多い、偏った食生活や過食をしている、運動をあまりしない、肥満があるなどの人では高血圧や糖尿病などの生活習慣病を罹患している可能性も高く、隠れ脳梗塞も発症しやすいと考えられます。
塩分摂取が多い
隠れ脳梗塞の一番の危険因子は高血圧であり、塩分摂取量が多いと高血圧となりやすく、隠れ脳梗塞のリスクが高くなります。減塩の調味料を使う。ラーメンなどのスープはあまり飲まないなど、出汁や酢などの食塩以外での味付けを行うなど、6-8g/日を目標とした減塩を心がけましょう。
メタボリックシンドローム・肥満
メタボリックシンドローム、肥満の人では隠れ脳梗塞を発症しやすいことが報告されています。メタボリックシンドロームや肥満の方では糖尿病や高コレステロール血症などの生活習慣病も併発していることが多く、また末梢性睡眠時無呼吸症候群も併発しやすいため、隠れ脳梗塞に限らず、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベントのリスクも高くなります。
食事は食べすぎずに適量とし、適度な運動を行うことが重要です。
喫煙をしている
喫煙が隠れ脳梗塞の要因となることも報告されています。喫煙量が増えるにしたがって隠れ脳梗塞も増えることも指摘されており、喫煙者では早期の禁煙が望ましいと考えられます。
健康診断を受けていない、高血圧などを放置している
高血圧は隠れ脳梗塞の一番のリスク要因とされており、高血圧の状態が続くことで発症しやすくなります。適切な血圧管理を行うことで隠れ脳梗塞の発症や悪化のリスクを下げることができると言われています。
健康診断を定期的に受け、高血圧が指摘される場合には生活習慣の改善とともに適切な治療を受けるようにしましょう。
隠れ脳梗塞のセルフチェック法
隠れ脳梗塞は症状がないことが特徴の脳梗塞であり、見つけるためには脳ドックなどで頭部の画像評価を行う必要があります。隠れ脳梗塞はセルフチェックで気づくことは困難ですので、ここでは気づきづらい脳梗塞の症状やそのセルフチェック法について説明します。
気になる症状がある場合には脳神経内科や脳神経外科を受診しましょう。
記憶力や情報処理能力の低下
記憶力や情報処理能力などの認知機能の変化は見落とされやすい症状の一つです。クロスワードや数独などの知育パズルを解く、カレンダーなどを見ずに予定を思い出してみるなどで、情報処理能力や記憶力をチェックすることができます。急にパズルが解けなくなったり、記憶力が落ちたりした場合には脳梗塞の可能性があります。
軽微な脱力
脱力が軽微な場合には症状に気づけない場合があります。手足を挙上・保持して手足が下がってこないか、普段通りに歩行ができるか、話し方はおかしくないかなどを確認しましょう。左右のどちらかのみに脱力がある場合、症状が突然出現した場合には脳梗塞の可能性があります。
構音障害・失語
普段からあまり会話する機会が少ない方は、話しにくさや声がうまく出せないなどの症状があっても気づかないことがあります。家族や友人と電話するなど、周囲の方との交流を増やすことが望ましいですが、文章を音読する、発声練習をするなどにより、声がうまく出せるか、音のゆがみがないかなどをセルフチェックすることができます。
配信: Medical DOC