隠れ脳梗塞を予防する方法
減塩・適切な量のバランスのとれた食事
隠れ脳梗塞の一番のリスクは高血圧です。アジア人では特に塩分を摂取することで血圧が高くなる人(食塩感受性高血圧)が多いとされており、隠れ脳梗塞の予防には1日6-8gを目標とした減塩が重要です。また、肥満や糖尿病、高コレステロール血症などの生活習慣病も隠れ脳梗塞のリスクであり、適切な量のバランスのとれた食事を行うことで隠れ脳梗塞を予防することができます。
適度な運動
1日30分以上のウォーキングなどの適度な運動は肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防になるとともに、隠れ脳梗塞の予防にもなります。また、筋力や骨量の維持などにも役立ち、特に高齢者においては運動機能を維持するためにも重要ですので、転倒などに気を付けつつ積極的に取り組みましょう。
禁煙
喫煙は肺を傷害して慢性閉塞性肺疾患(COPD)の原因になったり、動脈硬化を悪化させる要因になったりするだけでなく、隠れ脳梗塞も増加させることが知られています。1日に喫煙する本数が多いほど、喫煙している期間が長いほど隠れ脳梗塞は発症しやすくなるとの報告もあり、喫煙している場合には早期の禁煙が望ましいです。
「隠れ脳梗塞」についてよくある質問
ここまで隠れ脳梗塞などを紹介しました。ここでは「隠れ脳梗塞」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
隠れ脳梗塞は何人に一人の割合で発症するのでしょうか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
島根県で行われた研究では隠れ脳梗塞は40歳未満ではほとんど見られず、年代ごとの発症率は40歳代で5%程度、50歳代で10%程度、60歳代で20%程度、70歳代で30%程度と加齢に従ってほぼ直線的に増加すると報告されています。50歳を越えたら10人に1人以上の割合で隠れ脳梗塞を発症していることから、症状がなくとも脳ドックなどで検査を受けることが良いでしょう。
隠れ脳梗塞はMRI検査で発見することはできるのでしょうか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
はい、その通りで、隠れ脳梗塞はMRI検査で発見することができます。一方で、CT検査はMRI検査と比べて濃度分解能が劣るので、隠れ脳梗塞を見つけられない可能性があります。
編集部まとめ
隠れ脳梗塞はその病気自体には症状はありませんが、隠れ脳梗塞がある方では脳卒中の発症率が4倍、認知症の発症率が2倍になるとの報告があり、注意が必要な病気です。
脳ドックなどでの画像検査で偶然発見されますが、40歳以降で発見されることが多くなり、50歳代では10人に1人、60歳代では5人に1人で発見されます。高血圧などの生活習慣病のある方で発見されやすく、発見された場合も血圧コントロールなどの適切な治療を受けることで、隠れ脳梗塞の増加や脳卒中、認知症の発症を予防することが可能です。40歳を越えたら脳ドックなどを定期的に受け、早期発見・早期治療を心掛けることが重要です。
「隠れ脳梗塞」と関連する病気
「隠れ脳梗塞」と関連する病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
高コレステロール血症
メタボリックシンドローム
脳神経内科・脳神経外科の病気
一過性脳虚血発作
内頚動脈狭窄症
認知症
循環器内科の病気
心房細動
隠れ脳梗塞がある場合には脳卒中や認知症の発症率が高くなる可能性があるため注意が必要です。高血圧などの生活習慣病のある方で見つかりやすいのですが、血圧コントロールなどの適切な治療を受けることで、隠れ脳梗塞の増加や脳卒中、認知症の発症を予防することもできると言われています。
「隠れ脳梗塞」と関連する症状
「隠れ脳梗塞」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状物忘れ
話しにくい
歩きにくい
隠れ脳梗塞、というくらいなので自覚する症状はほとんどないと思いますが、振り返れば軽く症状が出現していたということもあるかもしれません。脳梗塞は再発予防が重要ですので、もし隠れ脳梗塞が見つかったら、脳梗塞再発や他の病気の発症予防にしっかりと対策をしていくようにしましょう。
参考文献
脳卒中治療ガイドライン2021(脳卒中治療ガイドライン2021)
配信: Medical DOC