健康を維持したり、病気の予防に欠かせない栄養素。そのなかでも、「ビタミンD」にはどういった働きがあるのかご存じでしょうか?
必要量が足りているからこそ、わたしたちは当たり前に毎日をすごせるのですが、不足してしまうといくつものデメリットが出てくることに…。
管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、「ビタミンD」が不足することでどのようなことが起きるのかと、効率よくとるための食べ方について紹介してもらいます。
「ビタミンD」の働きとは?
「ビタミンD」とは、油に溶けやすい性質(脂溶性)を持つビタミンの一種です。
私たちの皮膚に紫外線が当たることでも、体内で「ビタミンD」を合成することができます。しかし、加齢にともなって「ビタミンD」が合成されにくくなることに加え、外出する機会が少なかったり、頻繁に日焼け止めを使用していたりすると不足しやすくなってしまいます。そのため、食品からもとり入れる必要があるのです。
そんな「ビタミンD」には、おもにつぎのような働きがあります。
・カルシウムとリンの体内への吸収率を高め、丈夫な骨や歯の発育をうながす
・血液中のカルシウム濃度を一定に保ち、神経や筋肉の働きを正常に保つ
・筋力を維持し、転倒しにくくする
・免疫機能を調節し、炎症を防ぐ
このように、「ビタミンD」は老若男女問わず、健康を維持するためにとても重要な栄養素となっているのです。
「ビタミンD」不足になると起きることとは?
「ビタミンD」が不足すると、低カルシウム血症が起こります。
子どもでは骨の成長障害が起こる「くる病(姿勢の悪化、足の変形、低身長など)」、大人では骨がもろくなる「骨軟化症」や「骨粗鬆症」になることがあります。骨の密度が低下する「骨粗鬆症」の状態では、転倒による骨折から、寝たきりなどの介護が必要な状態になるリスクが上昇することが知られています。
令和元年国民健康・栄養調査におけるデータを見てみると、食品からの「ビタミンD」の1日の摂取量は、男女ともにほとんどの年代で不足していることがわかっています。しかも、若い世代ほど1日の必要量に大きく届いていないのが現状です…。
なお、目安量は適度に紫外線を浴びることを前提とした数値が設定されています。
そのことから、外出の機会が少ない人や紫外線対策を行っている人は、より「ビタミンD」を積極的にとる必要があることを覚えておきましょう。
配信: サンキュ!