江戸時代から使われていた?若者言葉「やばい」「マジ」のルーツに迫る

江戸時代から使われていた?若者言葉「やばい」「マジ」のルーツに迫る

主に若者が多用する「やばい」「マジ」という言葉。近代になってから生まれた言葉だと思われがちですが、実は江戸時代から使われていたようです。

一体どのようにして「やばい」「マジ」が使われるようになったのか、そのルーツに迫っていきましょう。

「やばい」の語源は諸説あり

そもそも「やばい」とは、形容動詞「やば」から派生した言葉。江戸時代の滑稽本・十返舎一九の『東海道中膝栗毛』を見てみると、「おどれら、やばなこと働きくさるな(お前ら、やばいことはするな)」というセリフが登場しています。「やば」とは「不都合なこと」「危険」という意味をあらわし、盗人や的屋の隠語として使われていたそうです。

「やば」の語源は、江戸時代の射的場「矢場」にあるとの説が有力です。矢場では裏で悪事や違法行為がおこなわれていたため、下手に近づくと役人に目をつけられるおそれがあることから、隠語として「やば」が使われるようになったそう。

また、囚人が牢屋を守る看守のことを「厄場(やば)」と呼ぶため、関わりたくない存在や状況のことを「やば」と言うようになったという説もあります。

同じく江戸時代から使われている「まじ」については、1781年(天明元年)発行の洒落本『にゃんの事だ』に「気の毒そふなかほ付にてまじになり」という記述が。芸人の楽屋言葉、いわゆる業界用語で、現代と同様に「真面目」「本当」という意味で使われていました。

「やばい」は今でもマイナスな意味合いで使われる一方、主に若者たちの間で「すごい」という称賛を込めた言葉としても使われています。また、「マジ」は「マジ美味しい」など、「とても」といった強意語の意味でも使用されるようになりました。このような流行り言葉は、影響力のある集団が新しい表現を面白がることによって、世間一般に伝わると考えられています。

時代や使う世代によって新しい解釈で捉えられ、意味合いが変化した言葉たち。現在何気なく使っているフレーズが、いつの日か新たな意味合いで使われていくと考えると興味深いですね。

■執筆/マツヤマ剛
ありとあらゆる面白情報を収集する雑食ライター。営業職で「トークのタネ」として雑学を集めていたことをきっかけにトリビアに目覚め、一念発起して編集プロダクションに転職。その後独立し、今に至る。特に、生活に関連するような知識には目がなく、日々情報収集に励んでいる。

編集/サンキュ!編集部

※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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