弟の存在がきっかけで、きょうだいたちにも変化が
生翔くんには、現在19歳の兄と15歳の姉がいます。きょうだいのお話を聞きました。
「生翔が生まれたとき兄はまだ小学生、姉は保育園だったので、寂しい思いをしたと思います。そのころのことで印象に残っているのが、小学校1年生のときの七夕のお願いごとに娘が『ママと一緒にあの料理ができますように、ママと一緒に寝られますように』と書いていて…。それがすごく胸を締め付けられる思いがして、今でも忘れられません。
でも兄も姉も率先して手伝いをしてくれて、しっかりしていたなと思います。そして何より、弟の病気を自然に受け入れて、かわいい、かわいいと言ってくれたのがありがたかった。今はもう2人とも大人になって考え方も変化してきて、弟の存在がきっかけになっていると思うんですが、兄は福祉教育に関心を持つようになりました。親としてはたいへんな分野と知っているだけに複雑な部分もありますが、子どもたちが決めたことを尊重してあげたいと思っています」(山崎さん)
そんなお兄ちゃんは、山崎さんが立ち上げた医療的ケア児の家族の声をかたちにするブランド「cocoe」の商品開発にも参加しているのだとか。
「“cocoeがめざす共生社会において必要なもの”に関して、若者として、またきょうだい児という立場でどういった視点を持っているのか、彼の意見を非常に参考にさせてもらいました。cocoeの活動も応援してくれていて、とても頼もしい存在です」(山崎さん)
お話・写真提供/山崎絵美さん 取材・文/安田萌、たまひよONLINE編集部
山崎さんや上のきょうだいの愛情を受けて、現在は小学4年生になった生翔くん。山崎さんはそんな生翔くんやきょうだいたちを育てながら、自身の経験を生かして障害児や医療的ケア児の家族の声をかたちにするブランド「cocoe」を立ち上げました。インタビューの後編では、ブランドを立ち上げた経緯やその背景にある思い、そして生翔くんの現在の様子を聞きました。
「 #たまひよ家族を考える 」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。
山崎絵美さん(やまざきえみ)
医療的ケア児である息子の育児経験から、“心を笑顔に”というコンセプトで、障害児や医療的ケア児の家族の声をかたちにするブランド「cocoe」を立ち上げ、島根県を拠点に活動中。インスタグラムでは「cocoe」の活動や子どもたちとの暮らしを発信している。
■cocoe
https://t-cocoe.co.jp/
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2024年10月の情報で、現在と異なる場合があります。
配信: たまひよONLINE
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