間宮祥太朗さん(31歳)が、裏社会を非合法ツールで生き抜く“道具屋”の主人公を演じるWOWOWのオリジナルドラマ『ハスリンボーイ』が放送中。
これまで「実はこうした役をやったことがなかった」と話す間宮さんにインタビュー。新たな挑戦での気づきや、本作で初共演を叶えた、少年時代に「役者の芝居ってすごい!」と思ったきっかけとなった、ある俳優とのエピソードなどを聞きました。
平凡な若者が成長していく役は、意外とやったことがなかった
――『ハスリンボーイ』は裏社会が舞台ですが、主人公の久保田タモツは、もともとは真面目な大学生です。奨学金の返済のためにアルバイトしていたところを詐欺に遭い、救ってくれた恩人のために、裏社会に足を踏み入れていきます。オファーを受けたときは?
間宮祥太朗さん(以下、間宮):平凡な若者がひょんなことから裏社会や事件に巻き込まれ、右往左往しながら成長していく。実は僕、あまりこうした役をやったことなかったんです。どちらかというと、そういった主人公に影響を与える役のほうをやっていました。だから新鮮でした。
――言われてみると、そうかもしれません。
間宮:タモツはとにかく隣にいそうな大学生なんですよね。特に序盤は、目の前で起きる物事に反応して右往左往するさまが楽しく見られるように、後半に行くにしたがって、彼が出会っていくアキヒロ(毎熊克哉)や九条(玉山鉄二)、村田(竹原ピストル)といった人たちからの影響が反映されていけばいいなと思いました。
できないことを「できます」と言ったことはない
――ただ、平凡とのことですが、公式紹介で「オモテとウラの狭間で生きる新ダークヒーロー」と謳われている通り、頭の回転も速いですし、やっぱりどこか人と違う魅力を感じさせるキャラクターです。
間宮:土壇場で“火事場の馬鹿力”的な発想力と柔軟性を発揮するんですよね。それが裏社会で生きる人たちの心のどこかに、それぞれ刺さっていく。無自覚に人に影響を及ぼしていく人物だと思います。
――これまで演じてきたことのない役だったとのことですが、タモツと一体になってみたことで、「こういう考え方もあるのか」と新鮮だったことはありますか?
間宮:タモツの中には、もともと仁義とか人情みたいなものって流れていなかったと思うんです。でも、それこそ裏社会は啖呵(たんか)を切ったりしないとやっていけない世界だと思いますし、“言霊”というか、彼自身の中にはなかったはずの言葉を口にして、既成事実として自分の中に覚悟を芽生えさせていく。みたいな感覚は、タモツを演じていてすごく感じた部分でしたね。
――間宮さん自身は、言葉に出したことによって、自分自身をそちらに向けていくことはありますか?
間宮;あまりないですね。たとえば、オーディションで本当はできないけれど「できます」と答えてしまって受かってから練習する、だとかは僕はやったことないです。逆に多少できることでも、「ほとんどできません」と言っちゃいます。
――外には出さないけれど、自分自身の内側ではメラメラ燃えているとか。
間宮:自分にできる限りのことはしたいと思いますけれど、大きく見せるようなことはないですし、自分を瞬間的に焚きつけるのではなく、「ものごとは一朝一夕ではいかないし」と粛々と進めていくタイプです。なので、タモツの自分の中になかったはずの言葉を口にしてしまってから自分のものにしていく、というのは自分にはない部分なので、面白かったです。
配信: 女子SPA!