巷でウワサの「肌断食」「ヒルドイド美容」してない? 実はNGな美容法3選

巷でウワサの「肌断食」「ヒルドイド美容」してない? 実はNGな美容法3選

実はNGな美容法3選

 SNSを中心に行き交う美容情報の中には、かえって悪影響を与えてしまうものや、医学的根拠がない美容法が存在しています。スキンケアのやりすぎや、ヒルドイド美容、ワセリンを使った肌断食の3つのNG美容法について紹介します。

【やりすぎスキンケア】
 良かれと思ってついしてしまうのが“やりすぎスキンケア”です。長時間のスチーマーや長時間のパック、角質ケア成分の取り入れすぎなどが当てはまります。スチーマーやパックは、長ければ長いほど肌が潤うイメージがあります。しかし、長時間水分に触れ続けると、角質層がふやけることでかえって水分が蒸発しやすい状態になってしまいます。さらに、水分を与えただけでは、せっかく蓄えた潤いが逃げてしまうので、クリームやオイルで水分の蒸発を防ぐことが必要です。

 化粧品に配合される角質ケア成分は、サリチル酸やリンゴ酸、乳酸などがあります。肌のくすみやニキビの元になる古い角質層をはがし、ターンオーバーをサポートするのが角質ケアの役割です。しかし、洗顔料や美容液などを通じて角質ケアをやりすぎると、未熟な角質層が肌表面に露出された状態になります。未熟な角質層ではバリア機能が正常に働かず、刺激に弱い肌環境になってしまいます。商品数を絞ったり使用頻度を調整したりするといいでしょう。

【ヒルドイド美容】
 皮膚科で処方されるヒルドイドは、アトピー性皮膚炎やニキビ、湿疹などの皮膚疾患に対して処方される保湿剤です。しかし「ヒルドイドで肌がきれいになる」「高額なクリームよりも効果がある」と、SNSで広まったことをきっかけに、美容目的でヒルドイドの処方を受ける人が増えました。

 ヒルドイドの有効成分であるヘパリン類似物質は、吸水・保水作用や肌を覆って水分蒸発を防ぐ作用があるものの、特別な美容効果はありません。ヒルドイドは化粧品ではなく医薬品なので、かゆみや赤み、火照りなどの副作用が表れる可能性があることに注意が必要です。特に酒さの症状がある場合、ヘパリン類似物質の血流促進作用が悪化原因となってしまいます。

【肌断食でワセリンのみ】
 肌断食とは、肌が持つバリア機能を引き出すために、化粧水や乳液などのスキンケアの一部または全てを断つ美容法です。医学用語ではないので定義が曖昧ですが、どの肌断食にも“肌本来の力を取り戻す”という点が共通しています。

 肌断食の一つとして、ワセリンのみを使用した美容法があります。洗顔の後、化粧水や美容液を使わずにワセリンのみで完結する肌断食です。ワセリンは皮脂膜に似た働きをするので、角質層の水分蒸発を防ぐという意味では理にかなった美容法です。しかし、角質層の天然保湿因子が少なく、水分保持力のない肌をワセリンで覆ったとしても、肌は干からびたままです。人によっては乾燥肌を加速させてしまう恐れがあります。

 昨今は、さまざまな美容に関する情報が出回っているので情報過多になっている人も多いのではないでしょうか? 間違ったスキン方法を継続すると肌状態を悪化させることにつながるので、自分に合ったスキンケアを今一度見直すといいかもしれません。

(夏木紬衣)

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