●「また同じ店で働きたい」
検察官側は冒頭から「あちらこちらで、嘘で固めた人生で楽しいんですか」と厳しく叱責。被告人は静かに頷いただけだった。
その後、「アルコールで気が大きくなったとしても、触りたいという気持ちが優先してしまってるのわかりますか」、「犯行のあと、逮捕されるまで被害者に何か謝罪の意思を示す行動をしましたか」、「交際相手の間をフラフラしていただけで、何もしていないだけですよね」と質問が続いたが、被告人からの答えはなかった。
被告人は社会復帰後の更生環境として、事件時に勤めていた飲食店で再度働く意思を見せている。
検察官「飲食店に対して働きたい意思は伝えているのですか」
被告人「住所などわからないので、できていません」
検察官「もし雇ってくれなかったら、どうするつもりなんですか」
被告人「捕まったとき、『頑張れよ』と否定的な感じではなかったので」
被告人は最終陳述において「してしまったことは許されることではないが、これから社会貢献できるよう頑張っていきたい」と述べた。しかし過去に自ら通院を辞めたアルコール依存症の専門医への通院以外、実現性のある更生への考えを述べることはなかった。
配信: 弁護士ドットコム