犬の「胸水」と「肺水腫」の違い|種類や原因、早期発見のポイントを獣医が解説

犬の「胸水」と「肺水腫」の違い|種類や原因、早期発見のポイントを獣医が解説

胸水と肺水腫。どちらも「胸に水がたまる」と混同されることが多いかと思います。ここでは2つの病態の違いと、その原因について解説します。

肺水腫とは

「肺」というのはごく微小な風船のような臓器で、呼吸によって酸素と二酸化炭素を交換する場所です。

「肺水腫」というのは、この肺の構造の中に水が溜まってしまう病態のことを指します。

肺の膨らみを阻害するわけではなく、空気の取り込み自体ができない状態となるため、身体の中から溺れているような状態であり、肺水腫は胸水よりも緊急性が高いです。

肺水腫を起こす病気

多く見られるのは心臓の疾患が原因の場合ですが、腎疾患、肺疾患、中毒や感染によるショック症状としてもあらわれます。

肺水腫や胸水を早く見つけるには

緊急性に差はありますが、どちらの病態も「呼吸が苦しくなる」のが特徴です。

心臓や腎臓に持病のある子はもちろん、おうちの子の「呼吸数」を数える練習は、日頃からおこなっておくと良いでしょう。

安静時の呼吸数は1分間に15~30回前後です。

胸が膨らんで縮んで、を1回と数えます。

1分間ずっと呼吸を数え続けるのは意外と難しいので、10秒や15秒と時間を区切り、1分間の呼吸数を計算して出すのが良いでしょう。

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