防災標識で表される各災害の特徴と避難の注意点
続いて、防災標識の災害種別一般図記号で表される各災害の特徴と避難の注意点について解説します。
高潮/津波
まずは以下の記号で表される高潮と津波についてです。
津波は地震によって海底に地殻変動が生じ、海水が押し上げられることで発生します。高潮は台風や発達した低気圧が海岸部を通過する際に海面が異常に上昇する現象です。どちらも海から水が陸地に押し寄せてくるものです。
高潮と津波の際の避難場所は以下のピクトグラムで表されます。水から逃れるように高い場所に逃げることが原則です。上のピクトグラムでは高台や丘の避難場所、下のものはビルの高い場所に逃げ込める津波避難ビルを意味しています。
洪水/内水氾濫
洪水と内水氾濫は以下のピクトグラムで表されます。
洪水とは、大雨や融雪によって河川の水の量が異常に増加し、堤防が決壊したり水が堤防を越えたりすることで起きる氾濫を指します。
また、内水氾濫とは、下水などの排水設備の処理能力を超えた雨が降った際などに雨水が排水できなくなって浸水する現象です。下水や水路から雨水があふれ出して家屋などに被害が発生します。
洪水・内水氾濫の際には、河川の近くや低地など場所によっては避難に適さない避難所もあります。防災標識を使った表示があると、どの災害の際に適した避難所であるかわかりやすいですね。
適した避難所に行くのが間に合わない場合、戸建て住宅の2階や3階、集合住宅のより高い階に垂直避難することが推奨されます。
土石流
以下のピクトグラムは土石流を表しています。
土石流とは、山腹や川底にある石・土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象です。その流れは時速20~40㎞にもなり、家屋や畑などが一気に流されてしまうこともあります。
土石流は前兆現象を伴うことがあります。山鳴りがする、川が濁る、川に流木が流れている、腐った土のにおいがするといったことを確認したら、すぐに河川や谷から離れて、高い場所などに避難します。
実際に土石流を目の当たりにしたら、土石流が流れる方向と垂直方向に逃げましょう。
崖崩れ・地滑り
以下は崖崩れ・地滑りのピクトグラムです。
崖崩れとは、地中に染み込んだ水分が土の抵抗力を弱め、地震や大雨などの影響で斜面が突然崩れ落ちる現象です。崖崩れは突然起こるため、逃げ遅れる人が多い災害です。
崖崩れにも前兆現象があり、崖に割れ目が見えたり、水が湧き出たり、小石がパラパラと落ちてくることがあります。前兆現象を確認した場合、すぐに崖や山から離れましょう。
地滑りは緩やかな斜面で発生します。地下水の影響などによって、地中の滑りやすい面がゆっくりと動き出す現象です。
地滑りの前兆現象は、地面にひび割れができたり、斜面から水が吹き出たり、家や擁壁にひびが入る・傾くといったものです。
配信: 防災ニッポン