離婚問題の弁護士費用の内訳と相場

離婚問題の弁護士費用の内訳と相場

5、離婚の弁護士費用の考え方~弁護士費用は何への対価か

「3」でご紹介した弁護士費用の計算例をご覧になって「高い」と感じた方は多いことでしょう。

たしかに、数十万円〜100万円を超える金額となれば、絶対的に見ると決して安い金額とはいえません。

ただ、大切なのはその費用で何を得るかということです。「高い」か「安い」かは、相対的に考えるべきことといえます。

弁護士に依頼するメリット(目的)は、「知識からの権利」「時間」「安心感」そして「代理人」を得ることにあるといえるでしょう。

以下で、分かりやすく解説していきます。

(1)知識を得て権利を行使する

慰謝料、財産分与、親権、養育費など、離婚における権利を主張したくても、正確な知識がなければ主張が通らないこともあります。

どんな権利に基づきいくら請求できるのか、この知識がなければやみくもに交渉をしても応じてはもらえません。

あなたがほしい金額には、きっと根拠があるはずです。たとえば高い慰謝料が欲しいなら、誰にも言えない「我慢」があったからではないでしょうか。

それらを法律上の権利と結びつける知識を得るには、弁護士を味方につけることです。

(2)時間を得る

相手方があなたの要求をスムーズに呑むのであれば苦労はしませんが、そうでない場合は交渉自体、また交渉の前提としての交渉戦略の検討に時間を要することでしょう。

交渉が決裂した場合には、調停や訴訟を起こすための証拠集めなどの準備に時間がかかりますし、裁判所へ出頭するための時間も必要となります。

これらの手続きは弁護士が代理人として行ってくれるので(調停の場合は基本的に本人の出席が必要ですが、体調不良等の場合は弁護士のみに出席させることもできます)、あなたはその時間を好きなことに使うことができます。

(3)安心感を得る

一人で離婚問題に立ち向かうと、どうすればよいのかという不安や疑問、いつになれば離婚できるのかという焦り、本当に離婚できるのかという悩み、さらには孤独感にも襲われるものです。

しかし、弁護士はいつでもあなたの味方として相談に乗ってくれます。

一人で戦うのではなく、相談できる味方がいると精神的な安心感を得ることができるので、本気で離婚問題を抱える人には大きな支えとなります。

あなたは一人ではないのです。

(4)代理人を得る

相手方からDV等の被害を受けている場合、自分で正面から戦うことはとても危険です。

しかし、弁護士という代理人を立てることにより、もうあなた自身が直接に相手方と対峙する必要はありません。

そこまで危険なケースでなくても、全く話が通じない、同じことを繰り返しているといった夫婦にとって、第三者が間に入ることはかなり有効な解決に向けた手段といえます。

また、調停や訴訟では代理人である弁護士から意見を述べることで、裁判所から信用されやすくなるという事実上の効果も期待できます。

6、弁護士に依頼せず自力で離婚手続きを進めたエピソード3選

多くの方にとって弁護士費用の負担は軽いものではありませんので、自力で離婚手続きを進める方もいます。

ここでは、弁護士に依頼せずに離婚手続きを進めた方のエピソードを3つご紹介します。

(1)時間をかけても離婚が成立しないケース

相手方が離婚に反対している場合、離婚を成立させるためには調停や訴訟を的確に進めるための専門的な知識も要求されます。

的確に対応できなければ、いつまで経っても離婚できないということにもなりかねません。

私も数回で終わるもんだと思っていましたが、全然でした。

離婚調停そのものに失望しました。

まず、一回目は私も緊張しながらいろいろ考えて臨んだのに旦那は欠席。裁判所には連絡があったらしいのですが、私には裁判所からその連絡がなかったので、行きましたが申立書の内容確認だけで終わりでした。

仕事も休み取って、電車乗り継いで、子供の一時託児も探して臨んだのに!

それから4回、旦那の頑な離婚拒否。(原因はお金と性格不一致です。)

調停員には強制力はないとかで結局離婚できませんでした。

しかも離婚調停不成立なのに、後から送られてくる書類には「別居調停成立」になってました。

調停始める前から別居してたっつーの。

おそらく、調停員としての成立件数を増やすためかと・・・。

そんなわけで弁護士がいたら違ってたかも、と思いました。

私は別居して2年、いまだ離婚はできていませんが、離婚っていろいろ時間もかかるし、

精神的にあきらめつつあります・・・。

引用元:YAHOO!JAPAN知恵袋

たしかに、性格の不一致だけが理由であれば、調停で離婚を成立させることは容易でないことも多いものです。

しかし、中には相手方の言動がモラハラに該当するケースもありますし、その他にも相手方の浪費や借金、家庭を顧みない生活状況など、離婚につながる事情があることも少なくありません。

この方も仰っているように、弁護士に依頼していれば展開が異なっていた可能性はあります。

(2)調停委員に言い分を聞いてもらえなかったケース

家庭裁判所の調停委員は中立・公平な立場で離婚調停を進めますが、弁護士に依頼せず離婚調停を進めた方から「言い分を聞いてもらえなかった」という声を聞くことが少なくありません。

離婚調停の経験はありますが、最後は協議離婚でした。(あまりに長すぎて・・・)

大体、月1回しか行われないので(大分前の事なので今は変わってるかも)なかなか前には進みませんでした。

調停員がとても理不尽な事を言い出したので(元旦那が慰謝料、養育費も支払わず高級車に乗り回している事を指摘したら元旦那に賛成したので)次に調停の時に相談していた弁護士さんを連れて行ったら態度が180度変わったのにはビックリしました。(あまりのいい加減さに)

言いたい事はその時には頭が真っ白になってしまうので箇条書きにメモして行くといいと思います。

引用元:YAHOO!JAPAN知恵袋

もちろん、弁護士の言うことは聞き、当事者本人の言うことは聞かないという調停委員ばかりではありません。

ただ、当事者本人の話が要領を得ない場合には「感情論に過ぎない」として片付けられ、弁護士が事実と証拠に基づいて意見を述べた場合には受け入れられる、というケースは数多くあります。

(3)請求できるものを請求し損ねたケース

離婚調停の手続きは自分で行うことも可能ですが、何を請求するのかは自分で決める必要があります。

その際に専門的な知識がなければ、請求できるはずのものを請求せずに手続きを進めてしまうことになりかねません。

特に、慰謝料の請求はしても財産分与の請求をし忘れているケースや、別居中の婚姻費用を請求し忘れているケースが多いものです。

調停から立てたほうがいい理由について。調停はご自身でも可能ですが、素人だと、とりこぼし(請求できるのに知らなくて請求できなかった)がいろいろ出てくる可能性があります。

きっちり損をしないように、思い切って専門家に立ってもらうのがベストです。

自分でやると、お仕事・育児などもあり、精神的に大変です。

引用元:YAHOO!JAPAN知恵袋

自分一人で調停期日に出頭した場合は、緊張して思うように話せなかった、言いたかったことを言い忘れた、といったことも起こりがちです。

弁護士がついていれば、自分の主張を十分に調停委員に伝えることが可能となります。

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