離婚問題の弁護士費用の内訳と相場

離婚問題の弁護士費用の内訳と相場

7、離婚の弁護士費用は誰が払う?夫婦の財産から出しても良い?

離婚の弁護士費用は、原則として自分で支払う必要があります。

日本の法律では、法的トラブルの解決を弁護士に依頼するかどうかは自己責任とされているため、依頼した人自身が支払わなければならないのです。

預貯金など夫婦の財産から出すことも要注意です。

なぜなら、夫婦の財産は財産分与の対象となるからです。離婚が成立しても、財産分与の際に弁護士費用に相当する金額を差し引かれる可能性があります。

以上の原則は、相手方が有責配偶者である場合とそうでない場合とで変わりません。

ただし、訴訟を起こして判決で慰謝料を獲得した場合には、相手方(慰謝料を支払う側)が慰謝料額の10%を弁護士費用として支払うように命じられるのが一般的です。

誰が離婚の弁護士費用を支払うのかについて、詳しくは以下の記事をご参照ください。

8、離婚の弁護士費用の負担を軽くする4つの方法

弁護士に依頼したいけれども、一括で費用を工面するのは難しい方もいらっしゃることでしょう。

本項では、できるだけ弁護士費用の支払いの負担を軽くする方法をご紹介します。

(1)早期決着

裁判から依頼する、など、離婚問題が佳境に入ってしまうと、弁護士がこれまでの状況を把握するのに時間がかかってしまうこともあり、費用がぐんと上がってしまいます。

そのため、もめている場合、もめそうだという場合はなるべく早期に相談に行きましょう。

早ければ早いほど決着をつける時間も短く済み、お互いの傷も浅くて済みます。

さらに、弁護士費用も比較的低料金で済むでしょう。

(2)複数の事務所をみて回り比較考量

弁護士費用は、事務所によって異なります。

そのため、費用対効果を事務所ごとに感じることが大切です。

無料相談を活用して複数の事務所を見て回り、比較考量されることをお勧めします。

(3)分割払いが可能か確認

弁護士費用は、相談料は相談時、着手金は依頼時、成功報酬は解決時、というように、支払うタイミングが何段階かに分かれていることが多いでしょう。

そのため、一括で総額を支払うということは少ないかと思いますが、基本的に事務所ごとに支払い方法を自由に定めることができますので、まずは確認することが大切です。

相談料と着手金については、離婚成立前に支払うことが原則ですが、もし専業主婦などで固有の財産がない(すべて夫婦の財産である)場合は、弁護士に相談してください。

また、成功報酬が高額となってくるケースもありますが、プラスに経済的利益を得た(慰謝料や財産分与を受けたなど)場合はこの中から支払うことができます。

それ以外のケースでは分割払い等柔軟に対応してくれる事務所も増えていますので、無料相談の際に確認してみましょう。

(4)法テラスを活用

一定の所得制限がありますが、法テラスでは弁護士費用の立替払いをしてもらえます。

こちらのページで詳しく解説していますのでご覧ください。

9、離婚に強い弁護士の見分け方

弁護士に依頼しようと決意したところで、ではどこの弁護士に依頼するのが良いのでしょうか? 

弁護士ならどの弁護士に依頼しても結果は同じでしょうか?

実は、弁護士にも得意・不得意な分野があります。

本項では、離婚事件に精通している弁護士とそうでない弁護士の見分け方をご説明します。

(1)離婚問題に関する知識と経験

まず、離婚問題に関する知識をしっかりと持ち合わせていることが重要です。

弁護士は法律の知識はありますが、細かい法律についてすべて熟知しているわけではありません。

そのため、弁護士になってからの数年は特に、案件に当たってから調べていくこととなります。

ですので、離婚問題の実績が、そのまま知識となっていくわけです。

細かい相手方の気持ちの動きや出方など、経験があればあるほど読めてくることになります。

(2)離婚問題に真摯に取り組む気持ち

もしその弁護士自身は経験が浅くても、事務所自体で離婚事件を積極的に扱っている場合は、これは大きなメリットです。

弁護士であれば法律の基礎はありますから、離婚実務の先輩や資料がそろっていれば、問題なくフォローされていくことでしょう。

こういう場合に大切なのは、その弁護士に離婚問題に真摯に取り組む姿勢があるかどうかです。

弁護士の中には、刑事事件しか興味がない、企業の不祥事問題しか興味がないなど、興味が偏っている人も。

そのため、デリケートな離婚問題に細やかに対応する姿勢があるかどうか、見極めることが大切です。

10、離婚に強い弁護士の探し方は?

では、離婚問題に精通している弁護士はどのように探せばいいでしょうか。

(1)親族や知人等の紹介

親族や知人などに弁護士を紹介してもらうというのも一つの手段です。

実際に親族等が利用した弁護士であれば信頼できるでしょうし、弁護士も、紹介の場合、より丁寧な対応をしてくれることもあります。

(2)インターネットで検索する

離婚に強い弁護士を探すためには、離婚に関して詳しく情報が載っているウェブサイトを持っている法律事務所を当たってみるのもよいでしょう。

インターネットで離婚に関する事項を検索して、表示された法律事務所のウェブサイトを確認してみるといいでしょう。

離婚の弁護士費用のQ&A

Q1.所持金0では離婚の弁護士費用は払えない?

成功報酬は獲得金額(あれば)から支払うことが可能としても、まず弁護士に依頼する時点で原則として着手金を支払う必要があります。

ただ、所持金0では弁護士に依頼できないというわけではありません。

Q2.離婚の弁護士費用は誰が払う?

離婚の弁護士費用は、原則として自分で支払う必要があります。

日本の法律では、法的トラブルの解決を弁護士に依頼するかどうかは自己責任とされているため、依頼した人自身が支払わなければならないのです。

Q3.離婚に強い弁護士の見分け方は?

弁護士に依頼しようと決意したところで、ではどこの弁護士に依頼するのが良いのでしょうか? 

弁護士ならどの弁護士に依頼しても結果は同じでしょうか?

実は、弁護士にも得意・不得意な分野があります。

本項では、離婚事件に精通している弁護士とそうでない弁護士の見分け方をご説明します。

まとめ

本記事では、弁護士費用の相場、内訳、また支払い方法などについてご説明いたしました。

離婚の弁護士費用は安いものではありません。それだけに、弁護士費用を支払うことで何が得られるのかを見極めることが大切です。

ご自身が目指す結果と、そのために要求される労力と問題点を明らかにした上で、検討してみるとよいでしょう。

弁護士に依頼すれば、ご希望の結果を共に全力で目指します。

全国の離婚に精通した弁護士が、最高の味方としてあなたのお役に立つことでしょう。

監修者:萩原 達也弁護士

ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
国内最大級の拠点数を誇り、クオリティーの高いリーガルサービスを、日本全国津々浦々にて提供することをモットーにしています。
また、所属する中国、アメリカをはじめとする海外の弁護士資格保有者や、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも当事務所の大きな特徴です。

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