初めての浮気、一度きりの浮気だ
浮気をしているが私(子ども)のことも大事にしてくれている
特にこのような浮気のケースでは、許せないのに離婚は迷ってしまう方が多いのではないでしょうか。
浮気のことを思い出すたびに泣いてしまう日々、でもこのまま離婚していいのかわからないー。そんな状態かもしれません。
今回は、多くの浮気・離婚問題に関わってきたベリーベスト法律事務所の弁護士が、
浮気された場合に離婚すべきかの考え方
浮気問題の結果離婚した事例
浮気された場合に離婚する方法・流れ
などについて解説していきます。ご参考になれば幸いです。
不倫をされた方が知っておくべき内容全般はこちらです。
また、不倫慰謝料請求に関する記事はこちらです。
さらに、不倫慰謝料の金額についてはYouTubeでも解説しています。
1、浮気された場合に離婚するべきかどうかの判断基準
まず、浮気が発覚したからといって、みんながみんな離婚をするわけではありません。復縁するケースもあれば、やはり離婚に踏み切るケースもあります。
そんなとき、判断基準として、精神的な部分、経済的な部分、子供に関する部分に分けて考えると整理できます。
(1)精神的な部分
浮気をした相手と、今後も結婚生活を続けていくのは苦痛です。常に顔を合わせる夫が、知らない女と懇ろになっていると考えると、顔を見るたびに嫌悪感が生じる可能性があります。
また、1度あることは2度あると思うと、今後も浮気をされるのではないかと思い、夫の帰宅が遅いとき、出張に行くとき等、いちいち勘ぐってしまうことになりかねません。
したがって、浮気を許せるか、忘れられるかどうかが大切なポイントになります。
(2)経済的な部分
浮気→離婚→高額慰謝料
とまっすぐ連想してしまいがちですが、現実はそうはいきません。よくハリウッドスターなどが離婚でとんでもない高額の慰謝料をもらっていたり、財産分与を受けていたりしますが、あれは極めて例外的な世界の話です。
一般家庭の場合、離婚でシングルマザーとなるため、経済的負担が増えることはあっても減ることはまずありません。詳しく説明します。
◎離婚で得られるお金
①財産分与
夫婦の財産は基本的に半分ずつ分けることになります。
②年金分割
婚姻期間中の年金納付実績を半分ずつ分けることになります。
③慰謝料
慰謝料を受け取れる場合であっても数十万~300万円に収まるのが通常です。
④養育費
子供を引き取った側の親が、子供の代わりに、子供を引き取らなかった側の親に請求できます。基本的に、子が成人するまで受け取ることができます。
◎離婚で失われるお金
⑤財産分与と年金分割
もしあなたの収入が夫より多かった場合、あなたが多いぶんだけ夫に支払わなければいけません。
⑥生活費等
子供を引き取った場合、教育費、食費、医療費その他、ものすごい費用がかかってきますが、すべてあなた負担です。子供が自分で稼げるようになり、あなたにお金を入れてくれるようになるまで、あなたはじっとこれらの出費に耐えなければいけません。
具体例で考えてみます。
【ケーススタディ】
子ども 0歳
夫婦の財産 300万円
夫の年収 300万円
離婚原因 夫の浮気
★もらえるお金
財産分与:150万円
慰謝料:200万円程度
養育費:算定表に従うと養育費は月3万円程度
これを前提に考えると、年36万円×18年=648万円
貰える金額の合計は998万円となります。
ただし、この金額は、夫が素直に払い続けてくれたケースです。実際には、夫が支払えず、最悪ゼロということもありえます。
◎出ていくお金
子供の教育費、生活費、自分の生活費:概ね月20万円×18年=4,320万円
そうすると、貰える金額は0円~998万円、出ていくお金は4,320万円となり、圧倒的に、離婚によって金銭的な苦悩は高まります。
これが、世にいわれるシングルマザーの苦労です。
このように考えると、経済的には、あなたに相当大きな負担がかかってしまうのです。
(3)子供に関する部分
①良い影響
もし、父母の仲が悪く、喧嘩が絶えないような状況にあったときは、離婚して心を安定させた母親の下で育つと、子供は安心します。これこそが、離婚によって子が受ける最大のメリットでしょう。
②悪い影響
子育ては、様々な育児書でも、基本的には父母がそろって行うことが想定されています。育児書というのは、大部分がシングルマザーにとって酷です。
「お母さんの具合が悪い時は、お父さんが気にかけてあげましょう。」「どうしても耐えられないときは、旦那さんに必ず打ち明けて助けを求めましょう。」等という言葉が必ず書いてあります。
辛いとき、パートナーに頼れないというのは大変です。また、子供が成長して母親より力が強くなってくると、父親でなければ、コントロールできない時期が出てきます。
そんなとき、父親不在は堪えます。また、子供は、父親のいない寂しさをひっそりと募らせていきます。父親としかできない遊び、会話、コミュニケーションがあるからです。
以上、精神的な面、経済的な面、子供に関する面から見てきました。精神面が過大評価されやすく、経済面、子供の面が過小評価されやすいので、冷静に判断しましょう。
2、様々な浮気されたケース
パートナーに浮気されたらみんなはどうしているんだろう?
自分の気持ちが揺れるとき、周りの行動が気になるものです。
本項では、浮気をされた方々の実際の気持ちをまとめました。ご参考まで。
(1)離婚してよかったケース
離婚した後うまくいったケースを、いくつか並べてみます。
夫のDVから解放された
合わない義理の両親との付き合いがなくなった
姑のいびり、かばってくれない夫の冷たさから解放された
ようやく自分の人生を歩めるようになった
夫の浪費癖にドキドキしなくて良くなった
新しい、いい出会いがあった
基本的に、精神的なメリットがとても大きいケースですね。
(2)離婚して後悔したケース
子供の後悔する声を聴いたとき
ダブルベッドに一人で寝て、寂しさをかみしめた
バツイチ、バツニというレッテルが気になった
別れて初めて愛していたことに気付いたとき
養育費、慰謝料が払われず、お金が回らなくなってしまった
精神的なメリットの評価を誤ってしまったケース、経済的なデメリット、子供のデメリットを過小評価してしまったケースが多いですね。
(3)許して離婚しなかったケース
この決断は、なかなか難しいですが、次の条件を満たしたとき、良い選択だったと思えるようです。
考え抜いた末に、人生勉強だと考え、許す覚悟ができた
子供の未来のことを十分考えて納得した
辛さを十分、信頼できる人に吐き出せた
逆に、これらのことが十分でなかった場合、胸の中にもやもやが溜まり、我慢を重ねるだけになってしまいます。
配信: LEGAL MALL