5、過失割合に納得いかない場合の対処法について
歩行者が突然飛び出してきて交通事故につながった場合、自動車の運転手としては自分に過失割合が割り当てられることに納得できないケースがあるでしょう。
そのようなときには、どうしたら適正な過失割合をあてはめることができるのでしょうか?
まずは、事故ごとの適正な過失割合を知ることが重要です。
交通事故には類型ごとの基本の過失割合が定まっており、裁判所が過失割合を認定するときや弁護士が示談交渉をするときなどには、そういった過失割合の基準を採用します。
被害者が保険会社と示談交渉をするときにもそうした過失割合の基準をあてはめるべきですから、まずは過失割合を調べましょう。
基本の過失割合を調べたいときには、「別冊判例タイムズ38」という本を入手すると良いです。
ここには多くの交通事故の類型ごとの過失割合が細かく掲載されているので、たいていの交通事故の基準の過失割合を調べることができます。
また、過失割合には修正要素があります。
修正要素とは、さまざまな事情によって基準の過失割合を増減させる要素です。
たとえば事故現場が幹線道路であれば歩行者の過失割合が上がる可能性がありますし、事故時が夜間のケースでも歩行者の過失割合が上がる可能性があります。
反対に、被害者が児童や幼児、高齢者や障害者などのケースでは自動車の過失割合が上がることも多いです。
過失割合を調べるときには、こうした修正要素についても確かめておきましょう。
適正な過失割合が判明したら、自分で相手に対してその内容を伝え、それをあてはめて計算するように求めましょう。
相手が応じない場合には、弁護士に示談交渉を依頼することをお勧めします。
弁護士であれば事故ごとの正確な過失割合を判断することができますし、相手と示談交渉をするときにも適切な過失割合をあてはめさせることができるからです。
自分で判例タイムズなどの本で過失割合を調べるのが難しいケースでも、弁護士に相談すると、弁護士が適正な過失割合を調べてアドバイスしますので、お気軽にご相談下さい。
6、飛び出し事故に巻き込まれてしまった場合に弁護士に依頼するメリット
飛び出し事故に巻き込まれてしまった場合には、弁護士に示談交渉を依頼するとさまざまなメリットがあります。
まず、適正な過失割合で解決できます。
当事者が自分で示談交渉をすると応じなかった相手であっても、法律の専門家である弁護士が対応すると、その主張内容を受け入れることが多いためです。
次に、適正な慰謝料やその他の賠償金額を算定できます。
自分で示談交渉をすると、治療費をどこまで負担すべきかや、慰謝料、休業損害などの賠償金について、どこまで支払うべきかがわからず、相手から過大な請求をされるかもしれません。
弁護士に依頼すると法的な基準をあてはめて計算できるので、そのような危険がなくなります。
3つ目に、自分で対応する負担がなくなるのも大きなメリットです。
飛び出し事故を起こしたとき、保険会社に加入していないケースでは、加害者が被害者と直接話をしなければなりません。
すると相手から強い口調で責められるなどして精神的に非常に参ってしまいます。
弁護士が対応すると、示談交渉はすべて弁護士が代理で行うので、依頼者は平静な気持ちで日常生活を送れます。
さらに、刑事事件においても弁護士がついている方が有利です。
事故当初から適切に対応することで、刑事処分を可能な限り軽くすることが可能となります。
配信: LEGAL MALL