今、カードローン地獄ではありませんか?「カードローンの返済日まであと3日…お金が足りない!」毎月のように行き詰まっていれば、まさにカードローン地獄です。
そこで今回は、カードローン地獄から「自力で脱出する方法」とカードローン利用に際しての注意点や金利計算方法、さらに借金地獄を脱出するための借り換えや体験談などを紹介します。
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1、カードローン地獄から「自力で脱出する」ための2つの方法
カードローンの返済が間に合わないという状況は、「誰にも知られたくない」と考える人の方が多いと思います。
毎月何件もあるカードローン地獄を抜け出すことは簡単ではありませんが、次の方法によって自力で脱出することも不可能というわけではありません。
(1)繰り上げ返済の実施|借入件数を減らす
カードローン地獄になってしまう一番の原因は、「借入件数が多い」ことです。借入件数が多いことは、次のようなリスクを抱えることになります。
現在の借金総額を正確に把握できなくなる
小口の借金(件数)が増えれば、利息の負担もかなり重くなる
借入件数が増えるほど、毎月の返済回数も多くなる
返済回数が多くなれば、「返済に充てるお金」が足りなくなるリスクも大きくなる
返済に振り回されて冷静な対応ができなくなる
以上のように、借入件数が増えていくことは、あらゆる悪循環の原因となるのです。
その結果、場当たり的な対応や、間違った対応をしてしまう(計画的な返済ができなくなる)ことで、状況をさらに悪化させかねません。
その意味では、借金地獄から脱出するためには、「借入件数を減らす」ことが、最重要のポイントになるといえます。
借入件数を減らすためには、「返済しやすい借金を1日でも早く完済する」ことが重要になりますが、カードローンを早く完済することは、実は簡単ではありません。なぜなら通常のカードローンは、何年もかけて返済することが、一般的になっているので、契約で決められた毎月の返済額を支払う(約定返済)だけでは、利息の負担が重いために、元金を思うように減らせないのです。
元金を早く減らす(1日もはやく完済する)ためには、約定返済に追加して行う「繰り上げ返済」を実行する必要があります。
繰り上げ返済をするためには「毎月の支払額を増やす」必要があるので、無駄遣いをやめ、生活を切り詰めなければ、支払額を増やすことはできません。
しかし、カードローン地獄に陥っている人には、ただでさえ、他の借金を抱え、本当にギリギリの生活をしているという人も多いでしょうから、さらに「生活を切り詰めろ」といわれても「もう削るところがない」というケースも珍しくないでしょう。
また、収入を増やすことも簡単ではありません。
副業を行うにしても、就業規則で禁止されている場合の方が多いですし、そもそも、副業のために本業が疎かになり、体調を崩してしまえば身も蓋もなくなってしまいます。
転職にしても、必ずしもうまくいく保証はありませんから、「給料の多い仕事に変えれば良い」と簡単に考えられるものでもありません。
(2)おまとめローンの活用
おまとめローンとは、他社からの借金を清算し、複数のローンの借入先を1社にまとめる(借金を借り換える)ための借金の通称のことです。
おまとめローンを利用することで、適用利率を引き下げられる可能性が高くなります。ローンの金利は、借入額が大きくなるほど下がるので、小口の複数ある借入金を、1つにまとめて大きい借入れにすれば、通常は金利が下がるからです。
①おまとめローンにも審査がある
おまとめローンによる「借金の1本化」は、多重借入れ(多重債務)の状況を打破する方法として有効です。借金を1つにまとめられれば、毎月の返済にかかる負担も大幅に軽減される場合の方が多いでしょう。
しかし、おまとめローンも借金である以上審査を経なければ借りることができません。
たとえば、カードローン地獄の状況がかなりひどい場合(収入額に対して借金額が多すぎる場合)や、現在の借金の返済に問題がある(すでに何件も滞納している)場合などには、おまとめローンの申込みをしても審査落ちになってしまうこともあるでしょう。
②おまとめローンによる借り換えのデメリット・リスク
また、おまとめローンにも、以下のようなデメリット・リスクがあることにも注意する必要があります。
適用される金利は審査が終わる(融資決定)までわからない
適用金利が思ったよりも下がらないこともある
完済までの期間がさらに長くなる場合が多い
返済期間の長期化により返済不可能になるリスクも高くなる(失業・病気などのリスク)
完済までに支払う利息総額が多くなる可能性がある
適用利率を下げる(融資を受ける)ために担保が必要となる場合もある
借入額がさらに増えてしまうことも多い
おまとめローンの適用金利は、申込みの際に行われる審査結果(債権者の評価)によって変わってきます。
たとえば、審査の結果が芳しくなければ、適用される利率も年15%近くになり、「現状のカードローンの金利とあまり変わらない」ということもあるかもしれません。
また、完済までの期間が長期化すれば、返済中に失業・病気などによる減収でおまとめローンを返済できなくなるリスクも高くなりますし、金利が下がったとしても、返済期間が長くなることで、支払うべき利息総額は借り換え前よりも多くなってしまう可能性もあります。
さらに、おまとめローンを利用する場合には、ほとんどのケースで、それ以降の借金は難しくなります。
法律の規制によって、金融機関から借金できる総額の上限が決められているからです。
おまとめローンの中には「完済までは他の金融機関からの借金を禁止する」契約となるケースも少なくありません。
そのため、おまとめローンを利用する人には、借り換えに必要な金額以上の借金をしてしまい、結局返済できなくなってしまう人もいないわけではありません。
以上のように、おまとめローンには、メリットだけでなく、デメリット・リスクもありますから、申込みをする前には、綿密な返済シミュレーションをするようにしましょう。
2、債務整理で解決するメリット・デメリット
カードローン地獄から自力で脱出できない場合には、債務整理を利用して解決することができます。
以下では、カードローン地獄から脱出するための債務整理の種類や、債務整理のメリット・デメリットについて確認していきます。
(1)債務整理の3つの種類
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法があります。
①任意整理
任意整理は、将来利息をカットしてもらい、さらに返済期間の見直しをすることで、今よりも借金返済をしやすくしてもらう手続きです。
裁判所を介さずに、債権者と直接交渉を行います。
そのため、他の債務整理と比べて、費用が安く、手間もかからず、プライバシーを守れるという点でメリットがあります。
②個人再生
個人再生は民事再生法に基づき、裁判所で行われる手続きです。
利息だけでなく、借金の元金も一部免除してもらえます。
たとえば、100万円以上500万円までの借金であれば、100万円までの減額を認めてもらえる可能性があります。
個人再生が認められると、裁判所の決定によって減額された借金を、その後の収入を原資に、原則3年間の分割で返済していくことになります。
したがって、元金免除がある点で、任意整理では解決できないほどの多額の借金があるケースにも対応でき、財産処分を前提としない点で自己破産よりもメリットの大きい債務整理といえます。
ただし、個人再生では元本カットのための手続き(債権者の同意を得る手続き)や、分割返済の具体的な計画(再生計画案)を債務者自身が作成しなければならない点で、他の債務整理よりも手続きの負担が大きくなることに注意が必要でしょう。
③自己破産
自己破産は、裁判所に申立てをして、借金と財産とを一括で清算するための手続きです。裁判所に免責を認めてもらえれば、借金を帳消しできるので、収入や財産のない人でも借金を解決できる点で大きなメリットがあります。
借金を帳消しにできる一方で、マイホームなど、法律上差押えできる財産は、債権者への配当に充てられるため、失ってしまうデメリットもあります。
(2)弁護士・司法書士に債務整理を依頼するメリット
弁護士・司法書士に依頼して債務整理を行うことは、(成功した場合に)借金が減免される点だけでなく、「依頼しただけ」でもメリットがあります。
債務整理を依頼した弁護士・司法書士が債権者である金融機関に「受任通知」を送付すれば、借金の取り立てからも、毎月の返済からも一時的に解放されることが可能となるからです。
債権者は、債務者に電話や訪問など、直接の取り立て請求が法律により禁止されます。
弁護士・司法書士からの受任通知を受け取った金融機関は、法律などの規制によって代理人である弁護士・司法書士以外への連絡(取立行為)を禁止され、債務整理の着手後は債権者間の公平を損なわないために個別の返済もストップさせる必要があるからです。
カードローン地獄に陥っている人にとって、最も辛いのは、債権者からの取り立て(への不安)と、毎月の返済(日に追われること)でしょう。
債務整理を依頼すれば、この両方から即時に解放されるというわけです。
借金返済に追われない安定した生活を取り戻せれば、家計にも余裕が生まれることでしょうから、債務整理の費用(弁護士費用や裁判所に納める手数料・予納金)を積み立てることも可能となります。
(3)債務整理のデメリット
債務整理をすると、少なからずデメリットも生じます。
たとえば、自己破産をした場合に、一定額以上の価値のある財産を失ってしまうことは、よく知られたデメリットでしょう。また、個人再生・自己破産をした場合には、官報による公告があるので、可能性としてはかなり低いですが、知人や勤務先に知られてしまう可能性がないとはいえません。
債務整理一般のデメリットとしては、「信用情報に傷が付く」ことを挙げることができます。
債務整理をすると、信用情報として、いわゆる「事故情報」が登録され、新規ローンや、カードの作成ができなくなります。また、今持っているカードの利用停止や、更新拒否をされることがあります。
しかし、カードローン地獄に陥ってしまった債務者にとって、カードが利用できなることは、必ずしもデメリットではありません。カードが利用できないことをきっかけに、「今後借金をしないように」と、生活を見直すチャンスとも考えることも可能だからです。
また、最近では、クレジットカード以外にもキャッシュレス決済の手段(スマホ決済・デビットカードなど)が増えているので、「カードが持てない」というだけで、大きな不便を強いられることも減っているといえます。
配信: LEGAL MALL