3、自己破産後5年以内でも消費者金融から借り入れられる方法
自己破産をしてブラックリストに登録された場合、貸付け時の審査に通らず借入れはできないのが普通です。
ただ、審査はあくまで各消費者金融会社の判断で行われるものですので、事故情報があっても審査に通ることはありえないわけではありません。
自己破産後、5年以内に借入れができる会社は、以下の2週類があります。
闇金
取り立ての厳しいことが予想される中小の消費者金融
(1)闇金
消費者金融会社として営業するためには、都道府県知事や財務局長への貸金業登録が必要となります。
しかし、法律で定められている制限利息を超えた高利貸しを行っている場合は、登録をすることができませんから、貸金業登録せずに、いわゆる闇金として営業を行います。
闇金は信用情報を利用した審査は行いませんから、貸付けを受けることはできるしょう。
しかし、闇金は厳しい取り立てと違法な高金利が特徴ですから、甘い言葉に乗って借入れをすると周囲に大変な迷惑を掛けることになります。闇金からは絶対に借入れをしてはいけません。
詳しくは「闇金とは?闇金からお金を取り立てられた場合の対処法」をご参照ください。
(2)取り立ての厳しいことが予想される中小の消費者金融
大手の消費者金融は、自己破産後5年間はまず借入れさせてくれませんが、中小の消費者金融の中には借入れできるところもあります。
闇金とは違って、貸金業登録をしていて、金利も法律の範囲内ですし、闇金のように誰にでも貸し付けるわけではありません。
このような業者も信用情報機関には加入していますので、他社とは異なる独自の審査基準で審査を行う結果として自己破産後でも融資を実行しているわけですが、もちろんやみくもにどんな人に対しても融資をするということではなく、やはり審査時点で安定した収入があることは必要でしょう。
また、闇金ほどではないにしても、これらの業者の取り立てが厳しいことが予想されます。
他の消費者金融は貸さないブラックな人に対して貸し付けるわけですから、取り立てを頑張って回収する方針なのでしょう。
また、一度自己破産をした人は、少なくとも7年は再度の免責を受けることができません。
借入れを検討する場合は、その点のリスクも十分考えた上で決断してください。
なお、このような業者が、破産者の住所氏名が掲載されている官報を見てダイレクトメールを送ってくることがあります。
ダイレクトメールを送ってくるのは、闇金と、取り立ては厳しくても正規の消費者金融と両方がありますので、最悪、借り入れるにしても、貸金業登録のない闇金だけは絶対に避けましょう。
金融庁の登録貸金業者情報検索入力ページで検索して出てこない場合は、闇金です。
4、自己破産から5年後以降に消費者金融から借り入れる方法
それでは、自己破産から5年が経てば、借り入れることはできるのでしょう。
5年経つ前と比べると借り入れやすくなることは確かですが、必ず借入れができるとは限りません。
以下、借入れをしやすくするための注意点を説明します。
(1)安定した収入をもつ
当然ながら、安定した収入がなければ、返済していくことは難しいでしょうし、返済の見込みがない人に貸してくれる業者もありません。
安定した収入をもつことは、借入れの大前提です。
(2)定まった住所をもつ
定まった住所がなく、ネットカフェや簡易宿泊所を転々とするような生活をしていると、審査に通るのは難しいでしょう。
借入れの前に、定まった家に住む必要があります。
(3)自己破産した時に借入れしていた業者は避ける
自己破産して免責を受けた時に借り入れていた消費者金融に借入れを申し込むことは避けたほうがよいでしょう。
信用情報機関に記録されている情報は5年で消えますが、業者が独自に記録している顧客情報は、何年間という統一の決まりがあるわけではなく、各業者が独自の基準で保管しています。
業者そのものに残っている情報は基本的にはずっと残されると考えたほうがよいでしょう。
借入れを申し込んだところで、断られるのが関の山ですし、借入れを申し込んで断られた記録は、信用情報に半年間記録され、一度断れてしまうと半年は別の業者から借り入れることも難しくなります。
他の業者に申し込んで断れている記録があると、厳しく審査され、断られやすくなるのです。
なお、以前借入れしたことがあっても、完済している業者であれば問題ありませんし、むしろ、まったくの新規の業者よりも審査が通りやすいでしょう。
(4)一度に複数の業者に申し込まない
借入れの申込みは、前述の通り、信用情報に半年間記録されます。
たくさんの業者に申し込んでいる形跡があると、よほどお金に困っていて貸しても返ってこない可能性があると思われてしまいます。
そうなると、審査に通ることは難しくなるでしょうから、一度に複数の業者に申し込むことは避けましょう。
(5)大手より中小を選ぶ
一概には言えませんが、CMをたくさん放送してお客さん集めに成功している大手よりも、お客さん集めに苦労している中小の業者の方が、審査が甘い傾向になることが考えられます。
確実性を増すなら中小規模の消費者金融を選んだほうがよいでしょう。
しかし、中小業者の方が取り立てが厳しい傾向がありますので、インターネット上の評判なども参考にしつつ、業者選びを行いましょう。
もっとも、インターネット上の情報は、業者がお客さん集めのために自作自演していることもありますので、情報の出どころが確かなものを中心に参考にし、どこの誰が書いたものがわからない情報は疑ってみるようにしましょう。
(6)クレジットヒストリーを作る
自己破産後5年を経過するとブラックな情報は消えて信用情報はまっさらな状態になります。
多くの人はその5年間は借入れや借入れのための審査の申込みなども行っていませんので、いわば信用情報があらゆる業者について何もない状態になっています(これを「スーパーホワイト」などということがあります)。
社会に出たばかりの若年者は別として、ある程度の年齢の人がこのスーパーホワイトの状態だと、審査をする業者としては以前に自己破産をしたためにスーパーホワイトとなっているのではないかと疑うこともあり、それが原因で審査に通らないということもあり得ます。
スーパーホワイトを解消するためには、クレジットヒストリーを作ることが重要です。
クレジットヒストリーとは、クレジットカードの利用履歴です。
クレジットカードを持っていて使用している人は、既にクレジットヒストリーがある状態ですが、自己破産後はクレジットカードも作ることが難しいでしょう。
しかし、一般的なクレジットカードを持っていなくてもクレジットヒストリーを作ることはできます。
主な方法としては次の2つがあります。
携帯電話を分割払いで購入する
ハウスカードを作る
以下、それぞれ説明します。
①携帯電話の分割購入
携帯電話を分割購入もクレジットヒストリーになります。
しかし、毎月の支払いを遅れることなくきちんと行わなければ、逆にブラックなヒストリーになり、ますます借入れが難しくなっていまいますので、気をつけましょう。
携帯電話の分割購入は、本体価格分の信用で賄えますので、クレジットカードの審査よりも緩く、スーパーホワイトでも審査に通ることは可能です。
しかし、自己破産から5年経っていなかったり、消費者金融やクレジットカードの審査に半年以内に落ちた記録があると、審査が通らない可能性があります。
また、携帯電話の利用料金の滞納がある場合も審査落ちの可能性があります。
携帯電話会社が違っても滞納情報は共有されますので、会社を変えても審査に通ることは難しいでしょう。
利用料金の滞納情報は5年間保管されます。
②ハウスカード
もう一つの方法はハウスカードを作ることです。
ハウスカードは、特定の会社だけで使えるクレジットカードです。
例えば、首都圏を中心にファッションビル等を運営する丸井のエポスカードが有名です(以前は「赤いカード」、「マルイカード」という名称)。
エポスカードは通常のクレジットカードと丸井関連のみで使えるハウスカードの2種類がありますが、スーパーホワイトの状態の場合はハウスカードでないと、審査に通ることは難しいと思われます。
逆に言うと、スーパーホワイトの状態でも審査に通る可能性があるため、クレジットヒストリーを作る目的には適しているといえます。
しかし、クレジットヒストリーを作るために、不要な物を購入しても仕方がないので、自分が毎月利用するお店でハウスカードを出しているところがないか調べてみましょう。
配信: LEGAL MALL