3、夫婦が「離婚に向かう」別居をする際の注意点
ここまで見てきた様々な理由から、離婚に向かうための別居を選ぶ夫婦も多いですが、元々夫婦には民法で定められた「同居義務」があり、それまで何の問題もない仲良し夫婦だったのに突然一方的に家を出てしまったというようなケースでは、この義務を放棄したとみなされてしまう可能性があります。
夫婦の同居義務に違反すると、離婚を進めるにあたって不利になってしまうこともあるため、別居の際には次の「同居義務に違反しないケース」かどうかをよく確認してから実際の行動を起こしましょう。
お互いが別居することに同意している場合
すでに夫婦仲が険悪になっている場合
転勤や介護などで必要に迫られた別居の場合
DV・モラハラなどで健康が脅かされている場合
4、離婚に向けた別居にもメリットがある!
どうせ離婚を前提としているなら、別居というステップを経ずにそのまま離婚に踏み切ってしまっても良いのではないか?と思う人もいるかもしれません。
しかし、十中八九離婚することを視野に入れた別居であっても、離れて暮らすうちにお互いの存在の大切さを見直すことができ、夫婦関係を修復するきっかけになることはありますし、実際に離婚に進んだとしても、離婚が成立するまでの間、夫婦問題の直接的なストレスから解放されるという点は立派なメリットのひとつです。
離婚に関する条件を話し合う際にも、別居で一旦気持ちを落ち着けてから交渉に臨んだほうが、お互いに悔いのない離婚を実現することができるでしょう。
一時の感情に振り回されないためにも、別居という冷却期間を置くことは有効な選択肢のひとつなのです。
配信: LEGAL MALL