3、正しい借金減額診断を受ける方法
正しい借金減額診断を受けるには、前述のように、取引履歴に基づいて利息引き直し計算を行う必要があります。
この作業はご自身で行うことも可能ですが、手間がかかりますし、慣れていないと計算ミスを起こす可能性も高いです。そのため、利息引き直し計算は弁護士や司法書士といった専門家にやってもらうのがおすすめです。
弁護士と司法書士は、どちらに相談してもかまわないのですが、司法書士は140万円を超える案件は取り扱えないという制限があります。
弁護士にはこのような制限はありませんので、債務整理などを依頼する可能性がある場合は、最初から弁護士に相談した方が早く解決できると思われます。
なお、本来は利息引き直し計算を行ってもらう前に債務整理を依頼する必要がありますが、最近は利息引き直し計算をした上で借金減額診断までを無料で行ってくれる事務所が増えています。
相談した際に、どこまで無料で行ってもらえるのかをしっかりと確認しましょう。
4、借金の減額が可能となる仕組みは2つ
ここからは、借金の減額が可能となる仕組みについてご説明していきます。その仕組みは、大きく分けて以下の2つです。
この他にも、他社への借り換えやおまとめローンの利用によって金利を下げることにより、将来に支払う利息を減らすことも可能です。
ただ、ここでは今ある借金そのものを減額する仕組みをご紹介します。
(1)払いすぎた利息を元本に充当する
1つめは、払いすぎた利息を元本に充当するという仕組みです。
2010年までは、多くの貸金業者がいわゆるグレーゾーン金利で貸付を行っていました。グレーゾーン金利とは、利息制限法に違反するものの、出資法の上限金利の範囲内の金利のことです。
グレーゾーン金利での貸付は民事上は違法であるものの、刑事罰の対象にはならないため、多くの貸金業者がグレーゾーン金利で貸し付けて利益を上げていたのです。
しかし、利息制限法所定の上限金利を超える利息の約定(契約)は民事上無効なので、消費者は利息を払いすぎていました。
払いすぎた利息は、借金の元本に充当することが判例で認められています。そのため、グレーゾーン金利で取引をしたことがある場合は、今ある借金を減額することが可能です。
もっとも、2010年6月18日に出資法が改正され、上限金利が利息制限法と同じ年20%に引き下げられました。
これによってグレーゾーン金利は撤廃されたため、その後の借入れでは利息の払いすぎは発生しなくなっています。
(2)法的手段で元本を減額する
払いすぎた利息を充当しても元本が残る場合や、利息を払いすぎていない場合でも、元本を減額できる法的手段があります。それが、次項でご紹介する「個人再生」と「自己破産」です。
どちらも法律で定められた債務整理方法であり、要件を満たせば債権者の意向にかかわらず、強制的に借金を減額することができます。
配信: LEGAL MALL