身近な人が逮捕されたら知っておきたい、留置所面会の際の重要なポイント

身近な人が逮捕されたら知っておきたい、留置所面会の際の重要なポイント

5、接見禁止が付いた場合に留置所にいる本人と連絡をとる方法

接見禁止が付いていると、家族など一般の方は被疑者と面会することができません。そんなときに留置所にいる本人と連絡をとるためにはどうすればいいのでしょうか。

(1)接見禁止とは

接見禁止とは、身柄を拘束されている被疑者と外部の人との交流を禁止する裁判所の決定です。接見禁止決定が付く場合は、逮捕後の勾留決定の際に併せて接見禁止決定も付けられることが多いです。

接見禁止が付きやすいのは、以下のような場合です。

証拠隠滅のおそれがある
証人や参考人を威迫するおそれがある
共犯者がいて、口裏合わせをするおそれがある
本人が容疑を否認している
重大犯罪や暴力団などによる組織的な犯罪の場合

(2)接見禁止が付いても弁護士を通じて連絡が可能

接見禁止が付くと、家族など一般の方は面会も差し入れもできなくなります。

しかし、被疑者には接見交通権及び弁護人依頼権が保障されているため、弁護士との接見は禁止することができないとされています。そのため、接見禁止が付いても弁護士は留置所の被疑者と面会もできますし、差し入れもできます。

したがって、接見禁止が付いた場合は弁護士に依頼して本人へ伝言してもらったり、差し入れを代理で行ってもらったりすることになります。

(3)接見禁止を解除する方法

接見禁止を解除するためには、裁判所へ「接見禁止決定に対する準抗告」か「接見禁止処分解除の申立て」を行います。

これらの手続によって接見禁止が全面的に解除されることは多くありませんが、部分的に解除されることはよくあります(一部解除)。

面会する相手や時期、用件、差し入れする物品などを限定すれば、一部解除を獲得できる可能性は十分にあります。

ただ、準抗告や接見禁止処分解除の申立てには専門的な知識が必要なので、弁護士に依頼した方がいいでしょう。

6、弁護士に依頼することで得られる2つのメリット

家族や身近な方が逮捕・勾留されたら、早期に弁護士に依頼することによって大きなメリットが得られます。

(1)本人との連絡や差し入れがスムーズにできる

一般の方の面会や差し入れには、これまでご説明してきたとおり、さまざまな制限があります。しかし、弁護士の面会や差し入れに対しては、この制限が大幅に緩和されています。

弁護士なら逮捕中や接見禁止が付いた場合でも、面会や差し入れが可能です(土日や夜間であっても)。

しかも面会時間に制限はなく、警察官の立ち会いもありません。弁護士に依頼することで本人との連絡や差し入れを素早く、かつ十分に行うことができるのです。

とはいえ、弁護士が証拠隠滅行為に手を貸してくれるということはないので、そのような目的で弁護士に依頼することはできません。

(2)不起訴処分を獲得できる可能性が高くなる

大切な方が逮捕・勾留された場合、家族にとって面会さえできれば満足できるわけではないでしょう。できることなら不起訴処分を獲得して早期に帰ってきてほしいはずです。

被疑者が逮捕されると、特に逮捕から勾留までの3日間は集中的に取り調べを受けます。勾留決定後も接見禁止が付くと、孤独な状態でその後の取り調べに耐えなければなりません。

このような状況で不利な供述をしてしまい、不利な証拠として用いられるケースはよくあります。

早期に弁護士に依頼すれば、本人は取り調べの対応方法等についてアドバイスを受けることができます。必要に応じて被害者との示談などの弁護活動も進めてもらうことができます。

こうすることによって、本人が一人で戦うよりも不起訴処分を獲得できる可能性が大幅に高くなります。

関連記事: