5、起訴状を受け取ってから刑事裁判が始まるまでにやるべきこと
軽微な事件であれば、起訴状を受け取ってから1か月~2か月程度で第1回公判期日を迎え、刑事裁判が本格的に始まります。
それまでの間に、被告人として検察官側が把握している証拠を検討し、獲得したい処分の内容・程度と具体的な防御方法を練っておく必要があります。具体的には以下のとおりです。
(1)検察官が提出予定の証拠を読み込む
まずは、検察官が提出する予定の証拠をあらかじめ入手し、読み込んで検討する必要があります。
検察官がどんな証拠を提出するのか知らないままだと、防御方法の用意がないまま対応することになり、結果として事実ではない事柄まで判決に影響してしまうかもしれません。
証拠検討の最初の段階では、検討時間の確保のため、公訴事実を立証するために検察官が裁判所に提出した証拠(=検察官請求証拠/請求証拠とも呼ばれます。)が、速やかに開示されるよう気を付ける必要があります。
検察官に対して任意での開示を求め、手元に届いたら下記3点の検討を進めなくてはなりません。
全体を通して、弁護士でないと対応困難と言わざるを得ない部分です。
被告人の認識と異なる部分はないか
証拠集めの手続きに違法性はなかったか
起訴状に記載されている事実を立証できているか
(2)刑事裁判での方針を固める
証拠を検討した上で考えるべきなのが、被告人として刑事裁判にどう対応するかです。
起訴状の内容を全面的に認めず(これを否認といいます。)無罪の獲得を狙うのか、それとも、起訴状の内容を認めた上で、量刑判断の際に考慮されるべき事実(これを情状事実といいます。)を説明して刑罰の軽減を目指すのか、どちらかを選ばなくてはなりません。
ポイントは、必ずしも起訴状の内容全てを認めないか又は認めるかしかないわけではなく、一部の事実のみ否認することも視野に入る点です。
反省・後悔等の気持ちが大なり小なりある当事者にとっては、非常に考え辛い点ではないでしょうか。
やはりここでも、客観的・中立的に事件を分析できる弁護士の助言が重要となります。
(3)どのような事実を主張・立証するかを検討する
刑事裁判で目指す方針が固まれば、防御方法を検討します。
事件発生当時の有利な事実を主張したり、証人尋問を請求して事情を説明できる人(親族等)を呼んだりする等の対応です。
被害者と示談が成立していれば、積極的に主張すると良いでしょう。
これらの裁判での対応はいずれもケースバイケースであり、犯罪類型に応じた対応を取るべきことに加えて、最近の判例の傾向等にも精通していなくてはなりません。
被告人に有利な事実の主張・立証は、弁護士に委ねるべき最も大切な部分です。
6、起訴状が届いたら弁護士に相談を
刑事裁判の被告人となった場合、高度な専門知識が求められることに加え、実務の慣行も理解しておく必要があります。
起訴状が届いたら、すぐに弁護士に相談して今後の対応を話し合うのが吉です。
▼刑事裁判の対応を弁護士に任せるメリット(私選弁護人の場合)
証拠の早期開示の催促から証拠内容の検討を任せられる
質問対応や打ち合わせに適切なタイミングで応じてもらえる
被告人の認識や意向に寄り添ってもらえやすい
私選弁護人を検討する上で特に注意したいのは、逮捕などの身柄拘束をされない、いわゆる在宅事件になったケースです。
資力に余裕があると裁判所に判断されると、被疑者国選弁護人制度の対象外になるため、弁護士不在で何も準備がないまま公判開始を迎える恐れがあります。
勾留中に国選弁護人が選任されたケースでも、接見や家族との打ち合わせで不安を感じることがあれば、すぐに私選弁護人としてふさわしい人を探しましょう。
配信: LEGAL MALL