「平岩孝典 vs Satanシマダのビッグバス対決」、「川島勉 vs 小森嗣彦の亀山マスター対決」など、かつて釣りビジョンにも〝対決シリーズ〟が存在した。今では、様々な釣りメディアで大なり小なり〝対決もの〟が企画されているが、2024年、釣りビジョンでも〝対決シリーズ〟が復活することとなった。出場アングラーはもちろん、制作スタッフも〝ガチ〟で臨む、釣りビジョンならではの〝対決シリーズ〟とするつもりだ。この本気の対決企画を担うこととなり、出場選手やフィールドを決めるまでの悩みなど、ロケ前の思いを正直にお伝えしようと思う。
コンセプトは〝全員最強〟
昨今の釣りメディアで活躍しているアングラーが本気で対決したら、誰が勝つのか…?そんな妄想からスタートした『釣りビジョンVOD』の限定企画。タイトルは『 釣戦 victory of divisions 』。コンセプトは、誰もが納得する〝全員最強〟だ。
そんなコンセプトだからこそ、出場アングラーの人選&組み合わせには慎重を期した。たくさんのアングラーが候補として挙がる中、まずオファーをかけたのは、10代の頃から釣りメディアで活躍するバスフィッシング界のレジェンド〝川村光大郎〟だ。ここは外せないだろうとして、真っ先にオファーをかけ、良い返事をもらった。
川村光大郎と戦って遜色ない、面白い、そして興奮するアングラーは誰か。2人目としてオファーをしたのは、ルアーフィッシング全てに精通するスーパーマルチアングラー〝松本幸雄〟だった。川村と同じように10代からメディアで活躍し、まだ若い当時からタックル開発を手掛けていた、誰もが認める〝天才アングラー〟である。企画を説明すると、松本からも「OK」との返事をもらうことができた。
そして、3人目。この2名と戦うに果たして誰が適任なのか。スケジュールが厳しいことは承知の上で、この男しかいない、ベストだと思う男に連絡をしてみた。今年、ルイススミスレイク戦で2勝目を上げアメリカから凱旋した、といえばわかるだろう。エリ―トプロの伊藤巧である。
多忙を極める3名のスケジュールをなんとか調整し、10月中旬、1日だけ時間をもらうことができた。こうして、誰が勝ってもおかしくない、ビッグネーム3名によるバトルをすることが決まったわけだが、担当ディレクターとしては、むしろここからが大変なのだ。そう、この3名を集めたはよいが、いったいどこで対決してもらえばよいのか。
3名が戦うにふさわしいフィールドは!?レギュレーションは!?
実際のところ、フィールド選びには非常に難航した。3人にとってフェアなフィールド、それでいて10月中旬に釣れるだろうフィールド。さらに言えば、ビッグウエイトでせめぎ合う、迫力のあるバトルが期待できるようなフィールドがよい。でも、そんなフィールドがあるのか!?
ブラックバスに詳しいディレクターから情報をもらい、ロケ直前まで熟考を重ねた。そして、〝戦地〟としてふさわしいと決めたのが、神奈川県の津久井湖だった。この時期、決して簡単ではないが、釣れればデカいだろう、関東を代表するビッグバスレイクだ。
さらに、ビッグバスに狙いを絞った〝振り切った釣り〟を展開してもらいたい為、思い切ったレギュレーションとした。「キーパーサイズ40cm以上」、「リミット2匹」のウエイト勝負。これはロケとしても大勝負である。下手したら3名とも「キーパー0匹」なんてことも考えられるからだ。それでもギリギリの戦いが観たい、この3名ならば魅せてくれるはず、その思いで決めたレギュレーションだった。
近年のバス業界を牽引する3名がいかなる釣りを披露してくれるのか、是非注目してほしい。
配信: 釣りビジョンマガジン