犬の病気を引き起こす「生活環境」7つ
1.不潔な環境
部屋が掃除されておらず、ほこりや抜け毛が放置された状態になっていたり、食べこぼしが落ちたままになっていると、犬が誤飲してしまう可能性があります。
抜け毛を飲み込むことで腸に詰まってしまったり、人間のご飯の食べこぼしを口にすることで中毒症状を引き起こしてしまう危険性があるので注意が必要です。
また、トイレシートを交換せず、排泄物を長時間置いたままの状態で放置しておくことも良くありません。まだ使えるからと思うかもしれませんが、放置することで雑菌が繁殖してしまいます。
犬はトイレが汚いままだと、排泄を我慢してしまうこともあるので気を付けましょう。
トイレはもちろん、日々のご飯やお水も常に新しいものを用意する必要があります。雑菌を口にしてしまうと、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす危険があるので注意してくださいね。
2.温度管理ができていない
犬にとって快適と言われている室温は犬種や体格によって異なりますが、だいたい「18℃~26℃」くらいで、湿度は60%以下が理想です。
鼻が短い犬種や長毛種、雪国生まれの犬種など暑さに弱い犬もいれば、防寒効果を持つアンダーコート(下毛)を持たない犬種は寒さに弱い傾向があります。
人間にとって快適な温度が、犬にとっては「暑すぎる・寒すぎる」という状態になっている可能性があるので注意しましょう。
温度管理ができていないことで、夏は熱中症の危険性が高まります。特に留守番をしているときにエアコンを切ってしまい、熱中症になるといったケースが少なくありません。
犬だけでなく動物と一緒に暮らすということは、その動物に合わせた温度管理を一年中しなければいけないということを覚えておきましょう。少しの油断が命の危険にかかわります。
また、熱中症を気にするあまり室温を下げすぎてしまうのも体調不良に繋がります。風邪が直接当たらない場所に寝床を置いたり、サーキュレーターなどで冷気が偏りなく循環するようにしたりと工夫してあげてください。
3.滑りやすい床
フローリングはお掃除がしやすい材質ですが、犬にとっては踏ん張りがきかず滑ってしまうこともあります。
犬の肉球には滑り止めの効果もありますが、毛や爪が伸びた状態だと踏ん張りがきかなくなるため、怪我や事故に繋がることもあるようです。
床で滑る状態を放置することで「脱臼」や「椎間板ヘルニア」、子犬の場合は「股関節形成不全」にも注意しなくてはいけません。
また、階段などで滑ってしまうと、落下の危険もあり重大な事故に繋がりかねないので対策をとるようにしましょう。
まず定期的な爪切りと肉球の間の毛をカットするようにしてください。階段には滑り止めのマットを敷くか、嫌がらないようなら犬に滑り止め用の靴下を履かせても良いでしょう。
普段過ごす部屋にも、ラグやクッションマットなどを使用して足腰への負担を減らせると怪我のリスクも軽減できます。フローリングに滑り止めのワックスを使用することも効果的です。
どのような対策をする場合でも、必ず犬に害のない素材のものを選ぶようにしてくださいね。
4.換気がされていない
人間よりも低い位置に頭のある犬は、ほこりなどを吸い込みやすく温度変化にも影響を受けやすいと言われています。
締め切った部屋で空気の流れが滞ると、私たち人間でも少し体調が悪くなってしまいますよね。よどんだ空気を吸わせることで、犬が体調を崩してしまいます。
また、換気をしないことでダニが繁殖したり、花粉によるアレルギーを発症してしまう可能性もあります。
これは犬だけでなく飼い主にも影響を及ぼす危険性があるので、日頃から換気をして空気を入れ替える習慣を付けるようにしましょう。
5.照明が明るすぎる
犬はもともと穴蔵のような「暗くて狭い場所」で生活していた動物です。そのため、暗い場所でも人間よりしっかりものを見ることができます。
通常の照明であれば問題はありませんが、色が明るすぎたり、犬と近い位置に照明が置いてある場合は少し眩しすぎるかもしれません。
犬が照明を避けるように隠れたり、顔を隠したりするような仕草をするようであれば少し調光してみましょう。
6.人間の食べこぼしが落ちている
犬には食べると中毒症状を引き起こす危険性のある食材があります。特に危険なのは「ネギ類」「チョコレート」「ブドウ」「アボカド」など、私たち人間にとって身近な食べ物ばかりです。
そのため、食べこぼしを誤って口にしてしまい、下痢や嘔吐などの症状を引き起こしたり、最悪の場合死に至るケースもあるので十分に注意するようにしましょう。
また、害のない食材だったとしても食中毒になる可能性もあります。食べこぼしを放置しておく時点で不衛生なので、こまめに掃除をするように徹底するようにしてください。
7.犬の苦手なニオイがする
犬は人間よりはるかに嗅覚が優れています。そのため、コショウやトウガラシ、シナモンといった「刺激臭」を嫌います。
他にも、人間にはいい香りの「柔軟剤」「香水」「アロマ」は、犬にとって不快な香りになります。
「マニキュア」や「タバコ」のニオイなどにも注意が必要です。私たち人間でも苦手だという人は多いのではないでしょうか。
特にタバコの受動喫煙は人間だけでなく犬にも影響を及ぼします。換気をしたからと言って有害物質を避けることはできないので、犬を飼うのであれば禁煙することをおすすめします。
犬に合わせた環境作りをすることが大切
私たちにとって快適な環境が、犬にとっても快適とは限りません。
少しの油断や知識不足が、愛犬を命の危険にさらしてしまう可能性があるということを知っておきましょう。
愛犬がストレスなく過ごしていくためには、日頃から部屋の中を清潔に保つことが大切です。これは飼い主が快適に過ごすためにも大切なことなので、まずはここから意識して環境を整えるようにしましょう。
犬は私たちより嗅覚や聴覚が優れています。そのため、強いニオイのするものや大きな音の出るものは置かないようにしてください。
犬の生態や習性を知ることで、ストレスの原因となるものを避けることができます。些細なことでも積み重なると重大なけがや病気に繋がります。
愛犬を危険にさらさないためにも、しっかりと予防をするようにしましょう。
配信: わんちゃんホンポ