■90歳代の人が活動範囲を広げるための筋トレとは?
活動範囲が狭くなる理由の一つは、歩幅が小さくなることです。歩幅を大きくするためには、脚を前へ出す筋力が必要です。脚を前へ押し出すためには、ふととも、お尻やお腹の筋力が必要です。それらの筋力向上に有効な運動は、スクワット(squat)です。スクワットとは「しゃがむ」という意味です。筋力トレーニングでは、様々なスクワットの方法があります。
90歳代の人が行う方法で適当と思われるやり方は以下の通りです。
1) 立位になる まっすぐ立てない人は椅子の背もたれなどにつかまる
2) 自然体で立つ 自然体とは腰幅程度に足を開きつま先は45℃外へ向ける立ち方
3) 息を吸いながら背筋を伸ばしたままゆっくりしゃがむ
4) 可能な範囲で出来る限りお尻を床に近づける
5) 息を吐きながら背筋を伸ばしたまま立ち上がる
6) 3)と5)を繰り返す
これが1回でも出来たら、歩く筋力があると言えます。運動していない人は3回繰り返すだけで疲れます。1週間くらい1日3回行います。2週間目以降慣れてきたら、1日に朝昼晩3回各3回ずつ行います。食事前に行うルーティンにすると良いと思います。この回数が増えるようになったら、歩く距離が長くなり歩く速度が速くなります。1か月後には書く5回ずつ、2か月後には各7回ずつ、3か月後には各10回ずつできるようになったら、「平均余命」は確実に伸びて、100歳を過ぎても自立生活が可能になると思います。
立位で出来ない人は、仰向けになり両脚そろえて可能な限り上げる方法も有効です。90歳代の人が行う方法で適当と思われる「脚上げ」のやり方は以下の通りです。
1) 仰向けになる 床はやや硬めで背中が冷えない場所に寝る 腰が沈む場所は不可
2) 息を吸いながら両脚を上げる 両膝の内側を付けて上げるのが望ましい
3) 息を吐きながら両脚を下ろす 両膝の内側を付けて下ろすのが望ましい
4) -1 両脚を上げることが困難な人は 息を吸いながら片脚を上げる
4) -2 息を吐きながら片脚を下げる
5) ―1 息を吸いながら反対の片脚を上げる
6) -2 息を吐きながら反対の片脚を下げる
毎日1日1回から始めます。両脚があげられない人は、片足ずつ行います。2回以上可能になったら連続して業います。
7) 2)と3)を繰り返す
または
8) 両脚を上げることが困難な人は4)の1と2を繰り返したのち5)の1と2を繰り返す
連続して行うときは、脚が床に着く前に再び上げます。脚を上げる角度は可能な限りで大丈夫です。腰が痛くならないようにすることがポイントです。やり方は工夫が必要ですが、大切なことは毎日繰り返し行うことです。
双子で長生きしていた「きんさんぎんさん」が90歳後半から筋トレをして歩けるようになった話は有名です。(きんさんのきんトレをご存知ですか きんさんが教えてくれた歩くことの大切さ!)動くことができなくなった金さんは、107歳まで元気に暮らしました。一緒に筋トレに付き合ったぎんさんは、108歳です。90歳からでも筋トレが必要だという事を物語る話です。
生涯元気に過ごすためには、20歳代から60歳代の過ごし方も大切です。若い世代の過ごし方に関してご興味がありましたら、JIJICO内の下記コラムをご参照戴きたく思います。
40歳から60歳代に関することは、JIJICO内にあるコラム「人生100年時代を生きる体力の転換期は62歳?体力低下を防ぐ秘訣はあるのか!?」
20歳から30歳代に関することは、JIJICO内にあるコラム「青春時代の体力転換期は26歳?身体力低下を防ぐ秘訣はあるのか!?」をご参照戴きたく思います。
■鍼灸治療やヨガ(YOGA)治両は90歳代の自立生活支援に最適です
110歳まで生きるためには、内臓が上部であることも欠かせません。内臓疾患がある人や運動すると膝や腰に痛みが出る人に、鍼灸治療は強い味方です。鍼灸治療は身体の外側から内臓機能に働きかけることが可能な、「内外科治療」です。薬物治療(内科治療)で効果を得られない人や外科手術(外科治療)をしても痛みが消失しない人は、是非鍼灸治療(内外科治療)をお試し戴きたく思います。鍼灸治療で体の調和を取り、筋トレを継続し手元気な90歳代をお過ごし戴きたく思います。
鍼灸治療をご希望の人は、お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療提供施設にご相談ください。
身体機能や心肺機能の向上に、ヨガ(YOGA)は最適です。ヨガ(YOGA)療法は、その人にあったカリキュラムを作成して行いますので、高齢者や体力が低下している人でも可能です。90歳になってからでも始めることが出来ます。ご希望の人は、清野メディカルヨーガもしくはお近くのヨガ教室にご相談戴きたく思います。
日常生活の養生法について詳しくお知りになりたい人は、清野鍼灸整骨院ホームページ「くらしと養生」をご参照戴きたく思います。清野が呼称する養正(ようせい)治療は、日常の適正な生活です。
(清野 充典/鍼灸師)
配信: JIJICO
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