11月17日放送の「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)第4話は気高く麗しい百合子を演じる土屋太鳳をはじめ、可憐な朝子を演じる杉咲花、妖艶なリナを演じる池田エライザのトリプルヒロインの浴衣姿が美しく、3人それぞれのキャラクターを愛さずにはいられなくなる素晴らしい回だった。
また、ドラマの「根っこ」に流れている反戦と鎮魂、現代人のあなたはどんな未来に向かって生きていこうとしていますか?と問われている壮大なテーマが、押し付けがましくなく、肌で感じられる作りになっていたと思う。特に長崎・浦上で被爆した百合子(土屋)が朝子の浴衣の帯を締めながら言った「奇跡は、人が起こす」にシビれた。長崎に原爆が落とされた日の朝には、一緒にかくれんぼをしていた百合子、朝子(杉咲)、鉄平(神木隆之介)、賢将(清水尋也)の4人。「今日は長崎に行きたくない」と言っていた百合子が隠れている場所を、朝子が百合子の母・寿美子(山本未來)に教えてしまったことで、百合子は結果的に被爆してしまうという悲劇が起きてしまった。
そのことで朝子を責めることができない百合子の優しさはねじれてしまい、意地悪をしていたのだが、この日の放送で母・寿美子を亡くした百合子は、そんな朝子と朝子に意地悪してしまう自分を許すと決意。祭り太鼓が聴こえる中、朝子を自宅に呼んで浴衣の着付けをしてあげている百合子の美しさに、土屋はこのドラマで表現力が磨かれたなぁと感心してしまった。
気まぐれで自由奔放に見えていた百合子のバックボーンが明かされ、百合子に魅了される視聴者が続出するのももちろんだが、そんな百合子を演じる土屋に称賛の声があがるのも当然のことだろう。
番組後半にさしかかった端島のシーンで、島の子どもの1人が当時は絶対ないはずのネッククーラーをしていたという珍事件も指摘された回だったが、それも含めて第4話は神回だったのではないだろうか。
(森山いま)
配信: アサジョ
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