一見して「敵か味方かわからない」不確かな魅力
佐藤さんの役者としての魅力は、なんといってもミステリアスな魅力。女性的な妖艶さという意味でもありますが、一見して敵か味方かわからない不確かな存在という部分も大きい。
役によってはその存在感を閉じ込め、主役の引き立て役や噛ませ犬的な存在になることもできるため、どんな立ち位置でも自然に作品に溶け込むことができます。それなのに、なぜか印象に残ってしまう……。そんな稀有な俳優さんです。
それらは、ジュニアモデルをしていたこと、ミュージシャンの顔を持つということや、映画『花腐し』やNetflix映画『彼女』でヌードを披露した経歴などによる「結局、何者なのかわからない」印象からかもしれません。
いるだけで「何かありそう」と期待させる存在感
『わたしの宝物』では、ヒロインと許されざる深い絆で繋がる男・冬月を想う同僚・水木莉紗を演じていますが、当初は二人の仲をかき乱す役割とみられていました。しかし、今のところは意外と健気に見守っている様子。今後も立ち位置的に今後どう絡んでくるかは分かりません。登場するだけで、「何かありそう?」と一波乱の期待感が膨らんでしまいます。
ただ、何もなくても納得できる。つまりそこに、さとうほなみがいるということだけで、物語の行く末を混沌とさせ作品に奥行きを与えてる要素のひとつになっているのです。その不思議な魅力や器用さで、プロデューサーや監督が「使いたい」と感じる理由も理解できます。
主演、助演限らず、今後も様々な場所での活躍が期待されるさとうさん。ヒット作に数多く出演し、すでにミュージシャンとして得た実績や名声を超えている状態と言った方がいいのかもしれません。出演しているドラマの展開も気になりますが、さとうほなみさん演じる登場人物の動きや彼女の演技も見ものですね。
<文/小政りょう>
【小政りょう】
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
配信: 女子SPA!
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