船長に訊く、湾フグのコツ
今期のアカメフグ(ヒガンフグ)について林大地船長に訊いた。
林船長「去年は近場のフグがあんまり良くなかったんですよ、潮が悪くて。今年はそう言うのがなくて、うじゃうじゃではないですけどいるかなと」
──アカメフグ(ヒガンフグ)に付きものの根掛かり、対策やコツは?
林船長「ぼくはわりと場所を選んで入れていると思います。同じ岸壁でも易しい所を選んで入れてます。根掛かりしても結構外れるんですよね。やり方次第ですぐ外れる。外し方を練習すると、ストレスなく釣れると思います。カチッと引っ掛かったら、向こうへ動かなくちゃダメです。引っ掛かってる方へ引っ張ったらダメで、“カタカタカタ…”と穴を拡げていくような感覚で繰り返せば外れるかなと思いますね」
──これから湾フグを始めたい方々にアドバイスするとしたら?
林船長「わりとフグって“テクニカル系”みたいに言われがちですけど、基本だけ押さえておけばそんなに敷居の高い釣り物ではないと思うんですね。道具も軽いし、水深も浅いし。まずはチャレンジして貰えると良いと思います。他の魚にはない“無料さばきサービス”になりますし(笑)」
メインターゲットは岸近くや障害物周りのアカメフグ(ヒガンフグ)だが、沖に出れば回遊するショウサイフグも狙える『新明丸』の湾フグ乗合。出船時間のかなり前から船長が船に来ているため、ビギナーは分からないことがあれば、エサ付けなり釣り方なり遠慮なく船長に尋ねてレクチャーを受けるのが得策だ。
竿頭15本! 船中5名もツ抜け達成!
この日は横浜沖など近場でアカメフグ(ヒガンフグ)を、富津沖など沖合でショウサイフグを狙う展開。水深はどちらも概ね10m前後でアタリも明確だった。
竿頭は右舷トモから2番目の浜野さつきさんが15本を釣り上げる快挙を達成。船中15名のうち5名がツ抜け(釣果10本超え)を果たすという驚きの釣果。
さばいて身欠きにしてもらったフグの棒身は、帰宅後に洗ってそのまま調理するも良し、熟成させるも良し。ショウサイフグは釣ったその日に食べるのが最も美味しく、アカメフグ(ヒガンフグ)は冷蔵庫で数日寝かせることで歯ごたえが優しくなり、味わいの深みが増す。刺身はもちろん、焼き物や煮物、鍋の具材にも最適で、さらに中骨で取った出汁の雑炊は感動的な一品となる。
寒さが増すにつれ、エサ盗りのサバフグが減り、ますます釣り易くなるシーズン本番はまさにこれから。釣って楽しく、食べて美味しい東京湾のフグ・オールスターズ。釣り人ならではの冬の味覚を、ぜひ存分に堪能してほしい。