“幻の蟹”と呼ばれるDeep Sea Red Crab「まるずわいがに」は、漁獲量が極めて少なく、市場にはほとんど出まわらない、大変希少な蟹です。今回はその「まるずわいがに」を存分に楽しめるスープ「蟹のビスク」を、人気料理ブロガーでもあり、お取り寄せも楽しむフーディスト・るぅさんの実食レポートともにご紹介します。
こんにちは、るぅです。
今から50年ほど前のこと。「アフリカでおいしい蟹が獲れる」そんな噂を聞きつけ、たくさんの漁船がアフリカを目指したことをご存じでしょうか。
まだ携帯電話すらない昭和の時代。1万キロ以上もあるアフリカは、今以上に遠く、命がけだったと思います。しかし、幸いにも蟹は獲れ、獲れた蟹は、毛がにのような甘みとたらばがにのような食べ応えがあり、本当においしかったそう。
ならばそのまま流通に…と思いきや、そうもいかない現実がありました。漁獲が思った以上に難しかったこと、また、蟹の殻が少し黒っぽかったこともあり、なかなか受け入れてもらえなかったそう。
もちろん漁船はどんどん撤退し、一隻、また一隻…といなくなっていきました。しかしその一方で、この蟹のおいしさと可能性を信じ続けた船もありました。
来る日も来る日も蟹と向き合い、ひたすらに挑戦し続けた船は、いつしかナミビア国政府から漁業権を取得。日本ではたった2隻しかない「Deep Sea Red Crab(まるずわいがに)」の漁獲を許された船になったそう。
そんな歴史と物語のある「Deep Sea Red Crab(まるずわいがに)」を自社船で漁獲し、さらにおいしく加工して私たちに届けてくれるお店があります。それが、宮城県気仙沼市にある「かに物語」さん。
オンラインショップには蟹のむき身や、ピザ、グラタンなど数々のものが並んでいますが、私のイチオシは「蟹のビスク」。驚くほどたくさんのむき身が入っていて、とーっても贅沢なスープなんです。
蟹のむき身があふれる贅沢ビスク
蟹のビスクのチャームポイントは、なんと言ってもたっぷり入ったむき身。とてもスープとは思えないほどのむき身が入っていて、スプーンを入れるたびにむき身が顔を出します。
あまりのむき身量にスープを食べているのか、蟹を食べているのか分からない贅沢さに襲われますが、それもこのビスクならでは。しかもこのむき身、強い甘みはまるで毛がに&しっかりとした食感はまるでたらばがに。本当にいいとこどりをしたようなおいしさなんです。
あまりの贅沢さについついむき身に見入ってしまいますが、スープだって負けてはいません。トマトの酸味や、生クリームのコク、香味野菜のおいしさがぎゅっと詰まっていて、舌触りはとってもなめらか。なにより、濃厚な蟹の風味とあふれんばかりの旨味は極上。スープだけでもメイン級のおいしさです。
温めはレンジでも湯煎でも
蟹のビスクは冷凍商品ですので、食べる際は、凍った状態で蒸気口を上にしてお皿にのせ、500Wのレンジで3分30秒加熱。たったそれだけでおいしいスープがお目見えです。
もちろん湯せん派の方は湯せんでも。湯せんにかける場合は、凍ったまま封を切らずに7分ほど加熱するだけでOK。また、冬は温めたスープがおすすめですが、夏は冷たいままいただくのもおすすめ。
配信: フーディストノート