Brand-new Winery 2024

Brand-new Winery 2024

日本のワイナリーは、年々増加し、2024年9月末時点で約540軒にもなりました。今年、新たに誕生したワイナリーは24軒。その中から特に注目のワイナリーを3軒ピックアップしてご紹介します。

〈長野県・原村〉kifutato wines

ほぼ前例のない1000m超えの高地で
26歳の若き造り手の挑戦が始まる

左/日達桐子さんは、原村生まれ原村育ち。土を触る仕事は性に合うという。原村の可能性を信じ、唯一無二のワイナリーをめざす 右/収穫したソーヴィニヨン・ブラン。可能性を感じているのは、この品種とピノ・グリ。畑の面積は現在2ha

2024年の10月、八ヶ岳山麓の原村に小さなワイナリーが誕生しました。ワイナリーとブドウ畑は日本ではまだ珍しい標高1015mの高地にあります。

ブドウ栽培とワイン醸造を一手に引き受けているのは日達桐子(ひたちきりこ) さん。まだ26歳の若き造り手です。

ラベルデザインは、双子の妹、楓子さんが担当。ファンキーなイラストは、一度見たら忘れられない

始まりは父の俊幸さんがワイン用ブドウを植えたこと。当時、彼女は高校生でした。大学時代にワイナリーのインターンを経て、両親の畑を引き継ぎ、ワインを造っていこうと決心。両親に思いを伝えました。

卒業後はブドウを育てながら、醸造の技術を貪欲に学びます。ニュージーランド、長野、そして山梨のワイナリーでも研修を受け、彼女が行き着いたのは、「汚さず、磨きすぎず、不必要と思ったものは添加しない造り。冷涼な高地ならではの伸びやかな酸のブドウを素直に表現したい」と思いを語ります。

上/標高1015mの高地に佇むワイナリー。畑からもワイナリーからも八ヶ岳の美しい稜線が望める 下/醸造施設には白い卵形の樹脂タンクや小型タンクが並ぶ。ときにはタンクを外に出し、太陽光を当てて発酵を促す

「やっとスタート地点に立てた」と言う桐子さん。今までは委託した醸造所の都合も加味して決めていた収穫時期も、樽での熟成期間も自由度が俄然上がります。

「仕込み期間はあまり睡眠も取れませんが、自分がめざす造りができると思うと期待しかありません」。彼女のワインのリリースが楽しみです。

kifutato wines

キフタトワインズ
住所/長野県諏訪郡原村払沢11151(※訪問の際は要事前相談) 

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