制度の変更で使いやすくなった!新NISAで老後の資産形成にトライ


新NISAのつみたて投資枠で老後資金を着実に貯める / (C)TY/PIXTA(ピクスタ)

新NISAがスタートし、投資を始める人や興味を持つ人が増えた2024年。一方、8月に起こった円相場と株式相場の急騰落では、「やっぱり投資は怖い」と不安を感じた人もいたのではないでしょうか。

とはいえ、実質賃金の低下や物価上昇が続く日本で、預金だけで将来に備えるのも厳しいのは事実。そこで紹介するのが、経済愛好家でコラムニストの肉乃小路ニクヨさんが提案するお金との付き合い方。

慶應義塾大学を卒業後、証券会社や銀行、保険会社などを渡り歩いてきたお金のプロであるニクヨさんが、新NISAやiDeCoの基礎知識とともに、堅実にお金を貯める方法についてレクチャー。将来を見据えたポジティブなマネープランを参考に、お金を育てることの大切さを学んでみませんか。

※本記事は肉乃小路ニクヨ著の書籍『いま必要なお金のお作法 幸せを呼ぶ40のマネープラン』から一部抜粋・編集しました。

新NISAのつみたて投資枠で老後資金を着実に貯める

2024年1月から新NISAが始まりました。NISAとは「Nippon Individual Savings Account」の略で、株式や投資信託の配当金や分配金、値上がりで得られた売却益が非課税になる国の制度です。

投資で得られた利益には通常20.315%の税金がかかります。たとえば100万円の利益が出たら、普通の口座であれば、約20万円を税金として支払っていたのです。それが100万円の利益は100万円満額で受け取れるようになったのです。この優遇は大きいですよね。

とても優遇されているがゆえに、今までのNISA制度は制限がしっかりとありました。しかし2024年からはそういった制限が緩やかになり、使いやすいものに変更されました。ここでの大きなポイントは4つあります。

■ポイント① 非課税期間が撤廃
従来は、非課税期間は一般NISAが5年、つみたてNISAは20年と限られていました。だから期間内に売却するか、それを過ぎてしまったら課税口座に移管する必要がありました。しかし新NISAでは、非課税期間が無期限になったため、長期的な視点で投資をすることができます。

■ポイント② 非課税投資枠が拡大
従来のつみたてNISAの年間投資枠が40万円だったのに対し、新NISAのつみたて投資枠は120万円に拡大されました。さらに、成長投資枠として年間240万円の投資枠が追加されたため、より積極的に投資をすることができるようになりました。

ただし注意しなければいけないのは、通算の運用資金の合計が1,800万円までとなっていること。したがって年間の枠をフルで使うと5年でいっぱいになります。

■ポイント③ つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能に
実は従来のNISAは一般NISAとつみたてNISAのどちらかしか使えなかったのです。それが、新NISAになってからはつみたて投資枠と成長投資枠を併用できるようになりました。なので、つみたて投資枠で老後資金を着実に積み立てながら、成長期待の個別株やアクティブな投資信託で攻めの運用もできるようになりました。

■ポイント④ 売却をしたら翌年に売却分の枠が復活
資金需要や利益確定で新NISA口座にある資産の売却をした場合は、翌年、売却分の購入原価分の枠が復活します。

簡単に言うと100万円で買ったものが120万円になって、住宅の頭金のために売ったら、翌年100万円の枠が復活します。なので、50歳くらいまでは住宅購入の頭金や子どもの学資のために運用し、売却して使用したら、そこからまた老後資金の備えに向けて枠を使うということも可能になったのです。

● 本記事は、執筆時点の情報を元に作成しています。金融に関連する法律、制度が改正、または各社のサービス内容が変更される可能性がありますのであらかじめご了承ください。
● 投資には一定のリスクが伴います。売買によって生まれた利益・損失について、執筆者ならびに出版社は一切責任を負いません。投資は必ず、ご自身の責任と判断のもとで行うようにお願い致します。

著=肉乃小路ニクヨ/『いま必要なお金のお作法 幸せを呼ぶ40のマネープラン』

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